M&A仲介に必要な書類リスト|徹底解説!スムーズな手続きのための準備書類一覧

M&A仲介に必要な書類リスト|徹底解説!スムーズな手続きのための準備書類一覧

M&A仲介に必要な書類を網羅的に知りたいですか?この記事では、M&A仲介を進める上で必要となる書類を、基本的なものから状況に応じて必要となるものまで、リスト形式で分かりやすく解説します。

会社概要資料や財務諸表といった基本書類はもちろん、デューデリジェンスで求められる株主名簿、登記簿謄本、契約書、従業員・知的財産・不動産・許認可に関する書類など、具体的な書類名を挙げながら、準備の重要性を理解することができます。

さらに、スムーズなM&Aプロセスを実現するためのポイントも解説。この記事を読めば、M&A仲介に必要な書類準備を万全にし、取引を成功に導くための知識を得ることができます。

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編集者の紹介

日下部 興靖

株式会社M&A PMI AGENT
代表取締役 日下部 興靖

上場企業のグループ会社の取締役を4社経験。M&A・PMI業務・経営再建業務などを10年経験し、多くの企業の業績改善を行ったM&A・PMIの専門家。3か月の経営支援にて期首予算比で売上1.8倍、利益5倍などの実績を持つ。




1. M&A仲介における書類準備の重要性

M&A仲介を成功させるためには、綿密な準備が不可欠です。中でも、適切な書類を迅速に準備することは、M&Aプロセス全体の円滑な進行を左右する重要な要素となります。

準備が不備であると、デューデリジェンスに遅延が生じたり、最悪の場合、取引が破談に至る可能性も否定できません。逆に、必要な書類を事前にしっかりと準備しておくことで、買い手企業からの信頼獲得に繋がり、スムーズな交渉、そして最終的な合意形成へと導くことができます。

M&A仲介においては、財務状況や事業内容、法務 compliance 状況など、企業のあらゆる側面に関する情報開示が求められます。これらの情報は、主に書類という形で提供されるため、書類準備の質とスピードは、M&Aの成否を大きく左右すると言っても過言ではありません。

特に、デューデリジェンスにおいては、膨大な量の書類を短期間で精査する必要があるため、事前に整理・準備しておくことが重要です。買い手企業は、提供された書類に基づいて企業価値を評価し、投資判断を行うため、正確で網羅的な情報提供が求められます。不正確な情報や情報不足は、買い手企業の不信感を招き、取引の遅延や破談に繋がる可能性があります。

また、書類準備は、売却企業自身にとってもメリットがあります。自社の状況を客観的に把握する良い機会となり、今後の事業戦略の策定にも役立ちます。

さらに、予め必要な書類を準備しておくことで、デューデリジェンスのプロセスを効率化し、時間とコストの削減にも繋がります。M&A仲介における書類準備は、単なる事務作業ではなく、M&Aプロセス全体を成功に導くための戦略的な活動と言えるでしょう。

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1.1 書類準備における注意点

M&A仲介に必要な書類は多岐にわたり、その種類や必要性は、取引の規模や内容、業界の特性などによって異なります。そのため、M&A仲介会社と密に連携を取りながら、必要な書類を正確に把握し、漏れなく準備することが重要です。

また、情報漏洩のリスクを最小限に抑えるため、機密情報の取り扱いには細心の注意を払う必要があります。適切なセキュリティ対策を講じ、情報管理体制を整備することが重要です。

1.2 書類準備の段階的な進め方

M&A仲介における書類準備は、一度に全てを準備するのではなく、段階的に進めていくことが効率的です。まずは基本的な書類を準備し、その後、デューデリジェンスの進捗状況に合わせて追加で必要な書類を提出していくという方法が一般的です。以下に、書類準備の段階的な進め方の一例を示します。

段階 準備する書類 目的
初期段階 会社概要資料、財務諸表、事業計画書など 買い手企業への企業概要の説明、基本的な情報の提供
デューデリジェンス 株主名簿、登記簿謄本、契約書、従業員関連書類、知的財産関連書類、不動産関連書類、許認可関連書類など 詳細な情報開示による企業価値の評価
最終段階 最終契約に必要な書類など 契約締結

上記はあくまでも一例であり、実際のM&Aプロセスにおいては、状況に応じて柔軟に対応する必要があります。M&A仲介会社と綿密にコミュニケーションを取りながら、適切な書類準備を進めることが重要です。

2. M&A仲介に必要な書類リスト
M&A仲介に必要な書類リスト 基本的な書類 会社概要資料 財務諸表 事業計画書 デューデリジェンスで 必要となる書類 株主名簿 登記簿謄本 契約書関係書類 従業員関連書類 知的財産関連書類 不動産関連書類 許認可関連書類 その他、状況に応じて 必要となる書類 債務に関する書類 訴訟に関する書類 次の段階へ 必要に応じて ※M&Aの種類や状況によって必要書類は異なります 専門家に相談し、適切な準備を進めましょう

M&A仲介を進めるにあたって、必要な書類は多岐に渡ります。準備の段階からしっかりと書類を揃えておくことで、スムーズなM&Aプロセスを実現できます。ここでは、M&A仲介で必要となる書類を、基本的なものから状況に応じて必要となるものまで、網羅的にご紹介します。

2.1 基本的な書類

M&Aの初期段階で必ず必要となる書類です。これらの書類は、買収対象企業の全体像を把握するために不可欠です。

2.1.1 会社概要資料

会社概要資料は、企業の事業内容、沿革、組織図、主要取引先などをまとめた資料です。M&Aの検討初期段階で、買収企業が対象企業の概要を理解するために必要となります。会社案内やIR資料などを活用できます。

2.1.2 財務諸表

財務諸表は、企業の財務状況を把握するために不可欠な書類です。貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の3つが主要な財務諸表であり、過去3~5期分を用意するのが一般的です。これらの書類から、企業の収益性、安全性、成長性などを分析します。監査済みの財務諸表があれば、より信頼性が高まります。

2.1.3 事業計画書

事業計画書は、企業の将来的な事業展開を示す重要な書類です。M&Aにおいては、買収後の事業計画、シナジー効果、成長戦略などを示す必要があります。中期経営計画や新規事業計画なども含まれます。

2.2 デューデリジェンスで必要となる書類

デューデリジェンスは、買収対象企業の価値やリスクを詳細に調査するプロセスです。この段階では、より詳細な情報が必要となるため、多岐にわたる書類の提出が求められます。

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2.2.1 株主名簿

株主名簿は、企業の株主構成を把握するために必要です。株主の氏名、住所、保有株式数などが記載されています。M&Aにおいては、株主の同意を得ることが重要なため、正確な株主名簿が不可欠です。

2.2.2 登記簿謄本

登記簿謄本は、企業の正式な登録情報を示す公的な書類です。会社の商号、本店所在地、資本金、役員などの情報が記載されています。最新の登記簿謄本を用意する必要があります。

2.2.3 契約書関係書類

取引先との契約書、ライセンス契約、雇用契約書など、企業活動に関わる重要な契約書は全て必要となります。契約内容によっては、M&Aに影響を与える可能性があるため、綿密な確認が必要です。秘密保持契約、業務委託契約なども含まれます。

2.2.4 従業員関連書類

従業員に関する資料は、人事制度、給与体系、従業員名簿、雇用契約書などを含みます。M&A後の雇用に関する事項は、重要な検討事項となるため、詳細な情報が必要です。

2.2.5 知的財産関連書類

特許、商標、著作権、意匠権など、企業が保有する知的財産に関する書類です。知的財産は企業の重要な資産であるため、デューデリジェンスにおいては詳細な調査が必要です。出願中のものも含めて、権利関係を明確にする必要があります。

2.2.6 不動産関連書類

企業が保有する不動産に関する書類です。土地の登記簿謄本、建物の所有権証明書、賃貸借契約書などが含まれます。不動産の価値はM&Aの評価に影響を与えるため、正確な情報が必要です。

2.2.7 許認可関連書類

事業を行う上で必要な許認可に関する書類です。業種によっては、特別な許認可が必要となる場合があり、M&Aにおいてもこれらの許認可の承継が重要なポイントとなります。

2.3 その他、状況に応じて必要となる書類

M&Aの状況によっては、追加で必要となる書類があります。事前に弁護士やM&Aアドバイザーに相談し、必要な書類を明確にしておくことが重要です。

2.3.1 債務に関する書類

借入金に関する契約書、債務保証契約書など、企業の債務状況を把握するために必要な書類です。M&Aにおいては、債務の引継ぎも重要な検討事項となります。

2.3.2 訴訟に関する書類

現在係争中の訴訟や過去に発生した訴訟に関する書類です。訴訟の内容によっては、M&Aに大きな影響を与える可能性があるため、詳細な情報開示が必要です。

これらの書類を適切に準備することで、M&Aプロセスをスムーズに進めることができます。M&Aは複雑な取引であるため、専門家であるM&A仲介会社や弁護士、会計士などのサポートを受けることが重要です。専門家のアドバイスを受けながら、必要な書類を漏れなく準備し、円滑なM&Aを実現しましょう。

3. M&A仲介をスムーズに進めるためのポイント

M&A仲介をスムーズに進めるためには、事前の準備と仲介会社との綿密な連携が不可欠です。売却側、買収側双方にとって、円滑なM&Aプロセスを実現するためのポイントを以下にまとめました。

3.1 仲介会社との連携

M&A仲介会社は、M&Aのプロセス全体をサポートする重要なパートナーです。積極的にコミュニケーションを取り、疑問点や不安点を解消していくことがスムーズなM&A実現の鍵となります。

3.1.1 情報共有の徹底

財務状況や事業計画といった企業情報はもちろんのこと、経営上の課題や将来的な展望など、可能な範囲で情報を共有することで、仲介会社はより適切なアドバイスやサポートを提供できます。隠蔽や虚偽の情報提供は、後々大きなトラブルに発展する可能性があるため、誠実な情報開示を心がけましょう。

3.1.2 定期的なミーティングの実施

M&Aのプロセスは長期にわたる場合が多いため、定期的なミーティングを設定し、進捗状況や今後の戦略などを共有することが重要です。ミーティングでは、疑問点や懸念事項を積極的に質問し、相互理解を深めるようにしましょう。

3.2 適切なデューデリジェンス対応

デューデリジェンスは、M&Aにおける重要なプロセスです。スムーズなデューデリジェンス対応は、M&A全体の成否を左右すると言っても過言ではありません。

3.2.1 資料の準備と整理

必要な書類を事前に整理し、速やかに提供することで、デューデリジェンスを効率的に進めることができます。前述の「M&A仲介に必要な書類リスト」を参考に、必要書類を漏れなく準備しておきましょう。データルームを活用することも有効な手段です。

3.2.2 質問への迅速な回答

買収側からの質問には、迅速かつ正確に回答することが重要です。不明点や回答が難しい質問については、仲介会社と相談しながら対応しましょう。

3.3 条件交渉における柔軟な姿勢

M&Aにおける条件交渉は、双方の利害が対立する場面も少なくありません。柔軟な姿勢で交渉に臨むことで、合意形成をスムーズに進めることができます。

3.3.1 妥協点を見つける努力

自社の利益だけでなく、相手側の立場や状況も理解し、双方が納得できる妥協点を見つける努力が重要です。Win-Winの関係を築くことが、M&A後の良好な関係構築にも繋がります。

3.3.2 専門家への相談

法律や税務など、専門的な知識が必要な事項については、弁護士や税理士などの専門家に相談することで、より適切な判断ができます。仲介会社も専門家とのネットワークを持っている場合が多いため、積極的に活用しましょう。

3.4 スケジュール管理の徹底

M&Aは、様々なプロセスを経て完了する複雑な取引です。各プロセスのスケジュールを明確化し、遅延なく進めることが重要です。下記に一般的なM&Aのプロセスと、それぞれの所要期間の目安を示します。

プロセス 内容 期間目安
準備段階 M&A戦略の策定、仲介会社の選定、資料準備など 1~3ヶ月
相手先探索 候補企業の選定、接触、基本合意締結 3~6ヶ月
デューデリジェンス 買収対象企業の調査 1~2ヶ月
最終契約交渉 最終的な契約条件の交渉、契約締結 1~2ヶ月
クロージング 株式譲渡、事業譲渡等の実行 1~2ヶ月
PMI(Post Merger Integration) M&A後の統合プロセス 6ヶ月~数年

上記はあくまで目安であり、M&Aの規模や複雑さによって期間は変動します。仲介会社と密に連携を取り、現実的なスケジュールを策定しましょう。

これらのポイントを踏まえ、M&A仲介会社と協力しながら、M&Aプロセスをスムーズに進めるように心がけましょう。綿密な準備と適切な対応は、M&Aの成功確率を高めるだけでなく、M&A後の統合プロセスも円滑に進めるための基盤となります。

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4. まとめ

M&A仲介を成功させるには、事前の書類準備が不可欠です。この記事では、M&A仲介に必要な書類を、基本書類、デューデリジェンスに必要な書類、状況に応じて必要な書類の3つのカテゴリーに分けて解説しました。

会社概要資料や財務諸表といった基本書類はもちろん、株主名簿や契約書、従業員関連書類など、デューデリジェンスで必要となる書類も多岐にわたります。さらに、状況に応じて債務や訴訟に関する書類も必要になる場合があることを理解しておく必要があります。

これらの書類を事前に準備することで、M&Aプロセスをスムーズに進め、成功の可能性を高めることができます。円滑なM&Aを実現するためにも、この記事を参考に必要な書類を漏れなく準備しましょう。

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