完全子会社化のメリット・デメリットを徹底解説!M&Aによる方法と成功事例【後編】
完全子会社化による効果を理解するためにも、まずは前編からお読みいただければ幸いです。
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編集者の紹介
株式会社M&A PMI AGENT
代表取締役 日下部 興靖
上場企業のグループ会社の取締役を4社経験。M&A・PMI業務・経営再建業務などを10年経験し、多くの企業の業績改善を行ったM&A・PMIの専門家。3か月のPMIにて期首予算比で売上1.8倍、利益5倍などの実績を持つ。
- 目次
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1. 完全子会社化の成功事例
1.1 株式会社トヨタ自動車による株式会社日野自動車の完全子会社化
1.2 株式会社ソフトバンクグループによる株式会社アーム・ホールディングスの完全子会社化
2. 完全子会社化の失敗事例と注意点
2.1 企業文化の違いによる統合の失敗
2.2 デューデリジェンス不足によるリスク顕在化
2.3 PMIの失敗によるシナジー効果の未発揮
3. 完全子会社化に関する法律・規制
3.1 会社法
3.2 独占禁止法
3.3 金融商品取引法
4. 完全子会社化の失敗事例と注意点
4.1 企業文化の違いによる統合の失敗
4.2 デューデリジェンス不足によるリスク顕在化
4.3 PMIの失敗によるシナジー効果の未発揮
4.4 その他注意点
5. 完全子会社化に関する法律・規制
5.1 会社法
5.2 独占禁止法
5.3 金融商品取引法
5.4 その他関連法規
6. まとめ
1. 完全子会社化の成功事例
完全子会社化によって企業が成長を遂げた事例は数多く存在します。ここでは、異なる業界における成功事例を2つ紹介し、その成功要因を分析することで、完全子会社化を成功させるためのポイントを探ります。
1.1 株式会社トヨタ自動車による株式会社日野自動車の完全子会社化
事業シナジーによる売上拡大
トヨタ自動車は、2002年に日野自動車を子会社化し、2022年には完全子会社化しました。これにより、トヨタグループ内での商用車事業の連携強化を図り、グローバル市場における競争力強化を目指しました。具体的には、トヨタの持つハイブリッド技術や燃料電池技術を日野の商用車に導入することで、環境性能に優れた次世代商用車の開発を加速させました。また、両社の販売網を統合することで、販売台数の増加と販売コストの削減を実現しました。その結果、日野自動車の売上は、完全子会社化以前と比較して大幅に増加しました。
経営効率化によるコスト削減
トヨタ自動車は、日野自動車の完全子会社化に伴い、両社の調達部門や生産部門を統合することで、規模の経済を活かしたコスト削減を実現しました。また、重複する業務の削減やシステムの共通化など、間接部門における効率化も推進しました。これらの取り組みによって、日野自動車の収益性は向上し、トヨタグループ全体の経営効率向上にも貢献しました。
技術開発力の向上
トヨタ自動車は、日野自動車の完全子会社化によって、商用車分野における技術開発力を強化しました。具体的には、トヨタの持つ先進技術を日野の商用車開発に活用することで、自動運転技術や電動化技術の開発を加速させました。また、両社の技術者を相互に派遣することで、技術交流を促進し、人材育成にも力を入れています。これらの取り組みによって、日野自動車は、商用車分野における技術リーダーとしての地位を確立しつつあります。
1.2 株式会社ソフトバンクグループによる株式会社アーム・ホールディングスの完全子会社化
新技術獲得による競争力強化
ソフトバンクグループは、2016年にイギリスの半導体設計会社であるアーム・ホールディングスを完全子会社化しました。アームは、スマートフォンやタブレット端末などに搭載されるCPUの設計で世界トップシェアを誇る企業です。ソフトバンクグループは、アームの技術力を活用することで、IoTやAIなどの成長分野における競争力強化を目指しました。具体的には、アームのCPU設計技術をソフトバンクグループ傘下の企業に導入することで、IoTデバイスやAIロボットの開発を加速させました。また、アームの持つ特許やノウハウを活用することで、新たなビジネスモデルの創出にも取り組んでいます。
人材獲得による研究開発力向上
ソフトバンクグループは、アームの完全子会社化によって、世界トップレベルの半導体設計技術者を獲得しました。アームの技術者は、ソフトバンクグループ傘下の企業の研究開発部門に参画し、新製品開発や技術指導などを行っています。また、アームの持つ人材育成ノウハウを活用することで、ソフトバンクグループ全体の研究開発力の向上にも貢献しています。
グローバル市場への進出
ソフトバンクグループは、アームの完全子会社化によって、グローバル市場への進出を加速させました。アームは、世界各国に拠点を持ち、幅広い顧客基盤を有しています。ソフトバンクグループは、アームのグローバルネットワークを活用することで、海外市場における事業展開を強化しました。また、アームのブランド力や信用力を活用することで、海外企業との提携やM&Aを積極的に推進しています。
2. 完全子会社化の失敗事例と注意点
完全子会社化は、必ずしも成功するとは限りません。企業文化の違いや経営方針の不一致など、様々な要因によって失敗する可能性があります。ここでは、完全子会社化の失敗事例と、失敗を避けるための注意点について解説します。
2.1 企業文化の違いによる統合の失敗
異なる企業文化を持つ企業同士が統合する場合、従業員同士のコミュニケーションがうまくいかず、組織全体の士気が低下する可能性があります。また、意思決定プロセスや業務プロセスが統一されず、業務効率が低下する可能性もあります。企業文化の違いによる統合の失敗を防ぐためには、統合前に両社の企業文化を十分に理解し、従業員同士の交流を促進するなどの対策を講じる必要があります。
2.2 デューデリジェンス不足によるリスク顕在化
買収対象企業の財務状況や事業内容などを十分に調査せずに完全子会社化を進めた場合、買収後に想定外の負債やリスクが顕在化する可能性があります。デューデリジェンス不足によるリスク顕在化を防ぐためには、買収前に専門家による綿密なデューデリジェンスを実施し、買収対象企業の状況を正確に把握する必要があります。
2.3 PMIの失敗によるシナジー効果の未発揮
PMI(Post Merger Integration)とは、M&A後の統合プロセスを指します。PMIが失敗すると、両社の事業シナジーが十分に発揮されず、買収効果が期待通りに得られない可能性があります。PMIの失敗を防ぐためには、統合前にPMI計画を策定し、責任者や担当者を明確にする必要があります。また、統合後も定期的に進捗状況を確認し、必要に応じて計画を修正するなど、柔軟な対応が求められます。
3. 完全子会社化に関する法律・規制
完全子会社化を行う際には、会社法や独占禁止法、金融商品取引法など、様々な法律・規制を遵守する必要があります。ここでは、完全子会社化に関連する主な法律・規制について解説します。
3.1 会社法
会社法は、株式会社の設立、組織、運営などに関する基本的なルールを定めた法律です。完全子会社化を行う際には、会社法に基づいて株主総会の決議や株式譲渡契約の締結などを行う必要があります。また、完全子会社化によって親会社と子会社間の取引が発生する場合には、会社法上の関連当事者取引に関する規定を遵守する必要があります。
3.2 独占禁止法
独占禁止法は、市場における公正な競争を確保するために、企業の独占や寡占を規制する法律です。完全子会社化によって特定の市場における競争が著しく制限される場合には、独占禁止法に抵触する可能性があります。完全子会社化を行う際には、事前に公正取引委員会に届出を行い、審査を受ける必要がある場合があります。
3.3 金融商品取引法
金融商品取引法は、株式や債券などの金融商品の取引に関するルールを定めた法律です。完全子会社化に伴う株式交換や株式公開買付けなどを行う際には、金融商品取引法上の開示規制や手続きを遵守する必要があります。また、完全子会社化によって上場企業が非上場化する際には、金融商品取引法上の手続きが必要となります。
4. 完全子会社化の失敗事例と注意点
完全子会社化は、メリットがある一方、デメリットやリスクも存在します。成功させるためには、事前に綿密な計画と準備を行い、失敗事例から学ぶことが重要です。ここでは、完全子会社化の失敗事例とその原因、そして成功のための注意点について詳しく解説します。
4.1 企業文化の違いによる統合の失敗
コミュニケーション不足による摩擦
親会社と子会社の企業文化が大きく異なる場合、従業員同士のコミュニケーションが円滑に進まず、摩擦が生じることがあります。例えば、親会社は成果主義で競争意識が強い一方、子会社は年功序列で協調性を重視する文化の場合、評価制度や人事制度の統合が難航し、従業員のモチベーション低下や離職に繋がる可能性があります。また、意思決定プロセスや業務の進め方、社内用語の違いなども、コミュニケーションの障壁となり、業務効率の低下やプロジェクトの失敗を招く可能性があります。
価値観の相違による対立
企業文化の違いは、従業員の価値観の相違にも繋がります。例えば、親会社は顧客第一主義を掲げている一方、子会社は従業員満足度を重視している場合、経営方針や事業戦略において対立が生じる可能性があります。また、コンプライアンス意識や社会貢献活動に対する考え方の違いも、企業イメージの低下や訴訟リスクに繋がる可能性があります。
事例:食品メーカーA社による飲料メーカーB社の完全子会社化
食品メーカーA社は、事業拡大を目的として飲料メーカーB社を完全子会社化しました。しかし、A社は保守的な企業文化で、B社は自由闊達な企業文化であったため、統合は難航しました。A社はB社に対して、自社のルールや制度を一方的に押し付けようとしたため、B社の従業員のモチベーションは低下し、優秀な人材が流出しました。結果として、B社の業績は悪化し、A社は多額の損失を被ることになりました。
4.2 デューデリジェンス不足によるリスク顕在化
財務状況の把握不足
デューデリジェンスとは、M&Aを行う際に、買収対象企業の事業内容、財務状況、法務状況などを調査するプロセスです。デューデリジェンスが不足すると、買収後に想定外の負債やリスクが顕在化し、買収企業に大きな損害を与える可能性があります。例えば、子会社の財務状況を十分に調査せずに完全子会社化した結果、隠れた負債が発覚し、親会社の財務状況が悪化するケースや、子会社のコンプライアンス体制に問題があり、買収後に多額の制裁金を支払うことになるケースなどが考えられます。
法務・コンプライアンスリスクの軽視
子会社の法令遵守体制やコンプライアンス状況を十分に調査せずに完全子会社化すると、買収後に法令違反や不正が発覚し、親会社の社会的信用が失墜するリスクがあります。例えば、子会社が環境規制に違反していた場合、親会社も責任を問われる可能性があります。また、子会社が個人情報保護法に違反していた場合、親会社も顧客からの信頼を失い、訴訟リスクに直面する可能性があります。
事例:IT企業C社によるソフトウェア開発会社D社の完全子会社化
IT企業C社は、新たな技術を獲得するためにソフトウェア開発会社D社を完全子会社化しました。しかし、C社はデューデリジェンスを十分に行わず、D社の特許権に抵侵するソフトウェアを開発していたことが買収後に発覚しました。結果として、C社は多額の損害賠償金を支払うことになり、D社の買収は失敗に終わりました。
4.3 PMIの失敗によるシナジー効果の未発揮
統合計画の不備
PMI(Post Merger Integration)とは、M&A後の統合プロセスを指します。PMIが失敗すると、買収目的であったシナジー効果(相乗効果)が十分に発揮されず、買収は失敗に終わる可能性があります。例えば、親会社と子会社のシステム統合が遅延した場合、業務効率の向上が期待できません。また、人事制度の統合がうまくいかず、優秀な人材が流出してしまうケースもあります。さらに、親会社と子会社の企業文化の融合が進まず、従業員のモチベーションが低下し、生産性が低下する可能性もあります。
組織文化の融合の失敗
親会社と子会社の組織文化が異なる場合、従業員同士のコミュニケーションがうまくいかず、組織全体の士気が低下する可能性があります。例えば、親会社はトップダウン型の意思決定を行う一方、子会社はボトムアップ型の意思決定を行う文化の場合、意思決定プロセスが混乱し、業務の進捗が遅れる可能性があります。また、親会社と子会社の評価制度や人事制度が異なる場合、従業員の不満が高まり、離職に繋がる可能性があります。
コミュニケーション不足
PMIにおいては、親会社と子会社の従業員間のコミュニケーションが非常に重要です。しかし、コミュニケーションが不足すると、誤解や不信感が生じ、統合プロセスがスムーズに進まない可能性があります。例えば、親会社が子会社の従業員に対して、買収後の経営方針や事業戦略を十分に説明しない場合、子会社の従業員は不安を感じ、モチベーションが低下する可能性があります。また、親会社と子会社の従業員同士が交流する機会が少ない場合、お互いの理解が深まらず、組織文化の融合が遅れる可能性があります。
事例:製造業E社による同業F社の完全子会社化
製造業E社は、市場シェア拡大を目的として同業F社を完全子会社化しました。しかし、E社はPMIを軽視し、統合計画を策定しませんでした。結果として、E社とF社のシステム統合は遅延し、生産効率は向上しませんでした。また、E社とF社の営業部門の統合もうまくいかず、顧客との関係が悪化しました。最終的に、E社はF社の買収によるシナジー効果をほとんど得ることができず、買収は失敗に終わりました。
4.4 その他注意点
少数株主との関係
完全子会社化においては、少数株主との関係も重要な要素となります。少数株主の権利を軽視すると、訴訟リスクや企業価値の低下に繋がる可能性があります。例えば、少数株主に対して、株式買取請求権を行使させないような不当な圧力をかけることは違法行為となります。また、少数株主の意見を無視して経営判断を行うと、少数株主から訴訟を起こされる可能性があります。
買収後のガバナンス体制
完全子会社化後は、親会社が子会社をどのように管理・監督していくかというガバナンス体制を構築することが重要です。ガバナンス体制が不十分だと、子会社における不正やコンプライアンス違反のリスクが高まります。例えば、子会社の取締役会に親会社の役員を派遣しない場合、子会社の経営状況を十分に把握することができず、不正リスクが高まります。また、子会社に内部監査部門を設置しない場合、コンプライアンス違反を早期に発見することが難しくなります。
完全子会社化を成功させるためには、上記の失敗事例を教訓とし、デューデリジェンスを徹底し、PMIを綿密に計画・実行することが重要です。また、少数株主との良好な関係を構築し、適切なガバナンス体制を整備することも不可欠です。企業は、完全子会社化に伴うリスクを十分に理解し、適切な対策を講じることで、買収目的を達成し、企業価値を高めることができるでしょう。
5. 完全子会社化に関する法律・規制
完全子会社化は、企業の重要な戦略の一つですが、その際には関連する法律や規制を遵守する必要があります。ここでは、完全子会社化に関連する主要な法律・規制について解説します。
5.1 会社法
会社法は、株式会社の設立、組織、運営、解散などに関する基本的なルールを定めた法律です。完全子会社化においても、会社法の規定に従って手続きを進める必要があります。
株式譲渡
株式譲渡による完全子会社化の場合、会社法上の手続きとして、株主総会の特別決議が必要となる場合があります。特に、親会社となる会社が自己の株式を取得する場合(いわゆる自己株式取得)には、会社法上の制限が設けられています。
株式交換
株式交換による完全子会社化の場合も、会社法上の手続きとして、両社の株主総会の特別決議が必要となります。また、株式交換比率の算定など、複雑な手続きが必要となる場合もあります。
会社分割
会社分割による完全子会社化の場合、会社法上の手続きとして、分割会社と承継会社のそれぞれの株主総会の特別決議が必要となります。また、分割契約書の作成や債権者への通知など、厳格な手続きが求められます。
5.2 独占禁止法
独占禁止法は、市場における公正かつ自由な競争を促進し、消費者の利益を守ることを目的とした法律です。完全子会社化によって、特定の市場における競争が阻害される可能性がある場合には、独占禁止法の適用を受ける可能性があります。
企業結合規制
完全子会社化は、独占禁止法における「企業結合」に該当する場合があります。企業結合によって、一定の規模以上の市場シェアを有することになる場合には、公正取引委員会への届出が必要となり、審査の結果、結合が認められない場合もあります。
私占化規制
完全子会社化によって、特定の事業分野において、一社の企業が市場を独占する状態(私占)になる可能性がある場合にも、独占禁止法の適用を受ける可能性があります。
5.3 金融商品取引法
金融商品取引法は、株式などの金融商品の取引に関するルールを定めた法律です。完全子会社化において、株式の公開買付けなどを行う場合には、金融商品取引法の規定に従う必要があります。
公開買付け
公開買付けとは、証券取引所を通じて、不特定多数の株主から株式を買い付ける行為です。完全子会社化を目的として公開買付けを行う場合には、金融商品取引法上の手続きに従い、公開買付届出書を関東財務局長に提出する必要があります。
インサイダー取引規制
完全子会社化に関する未公開情報を利用して、株式を売買する行為(インサイダー取引)は、金融商品取引法で禁止されています。関係者は、インサイダー取引規制に抵触しないよう、注意が必要です。
5.4 その他関連法規
上記以外にも、完全子会社化に関連する法律・規制は多数存在します。例えば、以下の法律・規制が関係する可能性があります。
法律・規制 | 概要 |
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労働基準法 | 子会社従業員の雇用条件の維持など |
下請法 | 親会社と子会社間の取引における下請代金の適正化 |
租借対照表規則 | 連結財務諸表の作成 |
法人税法 | 連結納税制度の適用 |
地方税法 | 事業税の申告・納付 |
完全子会社化を検討する際には、事前に専門家(弁護士、税理士、公認会計士など)に相談し、関連する法律・規制について十分な調査を行うことが重要です。法令違反を避けるだけでなく、適切な手続きを進めることで、スムーズかつ効率的な完全子会社化を実現することができます。
6. まとめ
この記事では、完全子会社化のメリット・デメリット、M&Aによる方法、成功事例・失敗事例などを詳しく解説しました。完全子会社化は、経営効率の向上、事業シナジーの創出、リスク分散など、多くのメリットをもたらす可能性があります。しかし、意思決定の遅延や組織の硬直化、コスト増加などのデメリットも存在します。そのため、完全子会社化を検討する際には、メリットとデメリットを十分に比較検討し、自社の経営戦略に合致するかどうかを慎重に判断する必要があります。
M&Aによる完全子会社化の方法としては、株式譲渡、株式交換、会社分割などがあります。いずれの方法を選択するかは、対象企業の規模や業種、買収目的などによって異なります。また、M&Aを行う際には、デューデリジェンスやPMIを適切に行うことが、成功には不可欠です。
成功事例としては、トヨタ自動車による日野自動車の完全子会社化や、ソフトバンクグループによるヤフー株式会社の完全子会社化などが挙げられます。これらの事例では、事業シナジーの創出や経営効率の向上など、大きな成果を上げています。一方、失敗事例としては、ライブドアによるニッポン放送の買収などが挙げられます。この事例では、企業文化の違いやデューデリジェンス不足などが原因で、統合に失敗しました。
完全子会社化を成功させるためには、メリットとデメリットを十分に理解し、M&Aのプロセスを適切に進めることが重要です。また、企業文化の違いや従業員のモチベーション低下などのリスクにも注意する必要があります。この記事が、完全子会社化を検討する企業の皆様にとって、少しでも参考になれば幸いです。