ITデューデリジェンスの目的・調査項目・進め方を初心者向けに解説【M&A成功の鍵】
「ITデューデリジェンスって何かよくわからないけど、M&Aと関係があるのは知っている...」「これからITデューデリジェンスについて調べないといけないけど、どこから手をつければいいか分からない...」そんな悩みをお持ちではありませんか?
ITデューデリジェンスとは、M&Aを成功させるために欠かせないプロセスであり、企業価値を適切に評価し、将来のリスクを回避するために重要な役割を担います。
本記事では、ITデューデリジェンスの目的や調査項目、進め方など、基本的な情報を初心者の方にもわかりやすく解説します。
この記事を読むことで、ITデューデリジェンスの全体像を掴み、具体的な調査項目や注意点などを理解することができます。ぜひ最後まで読んで、今後のM&A活動にお役立てください。
M&A・PMI支援のご相談はこちら
編集者の紹介
株式会社M&A PMI AGENT
代表取締役 日下部 興靖
上場企業のグループ会社の取締役を4社経験。M&A・PMI業務・経営再建業務などを10年経験し、多くの企業の業績改善を行ったPMIのエキスパート。3か月のPMIにて期首予算比で売上1.8倍、利益5倍などの実績を持つ。
1. ITデューデリジェンスとは
ITデューデリジェンスとは、M&Aや投資の際に、対象企業のIT資産やシステム、セキュリティ、データなどを調査するプロセスを指します。買収対象企業のIT環境を詳細に評価することで、M&A後の統合プロセスを円滑に進め、潜在的なリスクを事前に特定し、適切な対策を講じることが目的です。
1.1 ITデューデリジェンスの対象範囲
ITデューデリジェンスの対象範囲は多岐に渡り、企業の規模や業種、ITシステムの複雑さによって異なりますが、一般的には以下の要素が含まれます。
カテゴリ | 具体的な調査項目例 |
---|---|
インフラストラクチャ |
|
システム |
|
セキュリティ |
|
データ |
|
組織・人員 |
|
1.2 ITデューデリジェンスの重要性
ITデューデリジェンスは、M&Aや投資におけるリスク管理、意思決定、統合プロセスにおいて重要な役割を果たします。
1.2.1 リスク管理ITデューデリジェンスによって、買収対象企業のIT環境における潜在的なリスクを早期に発見し、評価することができます。これにより、買収後に想定外の費用やトラブルが発生することを防ぎ、安全なM&Aを実現することができます。
1.2.2 意思決定ITデューデリジェンスの結果は、買収価格の交渉材料となったり、買収の可否判断の重要な要素となります。IT資産の価値や潜在的なリスクを正確に把握することで、より適切な意思決定が可能になります。
1.2.3 統合プロセスITデューデリジェンスを通じて、買収対象企業のITシステムの現状を把握することで、M&A後のシステム統合をスムーズに進めることができます。統合計画の策定やシステム改修の必要性などを事前に検討することで、統合コストの削減や統合期間の短縮に繋がります。
2. ITデューデリジェンスの目的
ITデューデリジェンスは、M&Aを成功させるための重要なプロセスの一つであり、その目的は、買収対象企業のIT側面におけるリスクと機会を明確化し、M&A後の統合プロセスを円滑に進めるための情報を提供することです。具体的には、以下の目的が挙げられます。
2.1 M&AにおけるITデューデリジェンスの重要性
ITデューデリジェンスは、M&Aにおいて以下の点で特に重要となります。
ITリスクの把握と評価 | 買収対象企業のITシステム、インフラストラクチャ、セキュリティ体制などに潜むリスクを洗い出し、その影響度や対策費用を評価することで、M&A後の予期せぬトラブルやコスト発生を抑制します。 |
---|---|
企業価値の評価 | IT資産の現状と将来性を評価することで、買収対象企業の適正な価値を判断する材料を提供します。例えば、老朽化したシステムを抱えている場合、M&A後に多額の刷新費用が発生する可能性があり、その点を考慮した企業価値評価が求められます。 |
PMI計画策定 | ITデューデリジェンスの結果に基づき、システム統合やデータ移行など、M&A後のIT統合プロセスをスムーズに進めるための計画を策定することができます。統合における課題やシナジー効果を事前に把握することで、統合プロセスを効率化し、早期のシナジー実現を目指します。 |
【関連】PMIをやり直し成功を目指す「リスタートPMI」
2.1.1 ITデューデリジェンスで明らかになるリスクと機会
ITデューデリジェンスでは、以下のようなリスクと機会が明らかになる可能性があります。
項目 | リスク | 機会 |
---|---|---|
インフラストラクチャ | 老朽化したハードウェア、システムの陳腐化、災害対策の不備 | 最新技術への投資による効率化、クラウド移行によるコスト削減 |
システム | 複雑なシステム構成、ブラックボックス化、ドキュメント不足 | 業務プロセス自動化による効率化、システム統合によるシナジー効果 |
セキュリティ | 脆弱性対策の不備、セキュリティ意識の低さ、インシデント対応体制の未整備 | セキュリティ強化による企業価値向上、顧客からの信頼獲得 |
データ | データ品質の低さ、データガバナンスの不備、個人情報保護法への対応不足 | データ分析による新たなビジネス機会創出、データ活用による競争力強化 |
組織・人員 | IT人材の不足、IT部門のモチベーション低下、IT戦略の不在 | 優秀なIT人材の獲得、IT部門との連携強化によるシナジー効果 |
このように、ITデューデリジェンスは、M&Aにおける重要なプロセスであり、その目的は、買収対象企業のIT側面におけるリスクと機会を明確化し、M&A後の統合プロセスを円滑に進めるための情報を提供することです。ITデューデリジェンスを適切に行うことで、M&Aのリスクを最小限に抑え、成功の可能性を高めることができます。
3. ITデューデリジェンスの調査項目
ITデューデリジェンスの調査項目は、対象企業の規模や事業内容、ITシステムの複雑性などによって異なりますが、一般的には以下の項目が挙げられます。
3.1 インフラストラクチャ 3.1.1 サーバー・ネットワーク機器
ーバー、ネットワーク機器の種類、仕様、性能、保守状況 | |
ネットワーク構成図、システム構成図の整備状況 | |
仮想化技術の導入状況、クラウドサービスの利用状況 | |
データセンター、サーバー室の物理的なセキュリティ対策状況 | |
災害発生時の事業継続計画(BCP)におけるITインフラストラクチャの考慮 |
ハードウェア、ソフトウェアの導入時期、保守期限、ライセンス状況 | |
陳腐化しているハードウェア、ソフトウェアの有無とその対応計画 | |
ハードウェア、ソフトウェアの調達先、調達方法 |
3.2 システム 3.2.1 基幹システム
基幹システム(ERP、SCM、CRMなど)の種類、バージョン、導入時期、カスタマイズ状況 | |
基幹システムの運用状況、障害発生状況、保守体制 | |
基幹システムのデータ量、処理能力、拡張性 | |
基幹システムのセキュリティ対策状況 |
業務システムの種類、開発言語、データベース、開発体制 | |
業務システムの設計書、ソースコード、テスト仕様書などのドキュメント整備状況 | |
業務システムの開発・運用・保守体制、外部委託状況 | |
業務システムのセキュリティ対策状況 |
システム開発・運用体制の成熟度 | |
開発手法(ウォーターフォール、アジャイルなど)、プロジェクト管理体制 | |
システム開発・運用の外部委託状況、ベンダーとの契約内容 | |
システム開発・運用における品質管理、リスク管理体制 |
3.3 セキュリティ 3.3.1 セキュリティ対策
ファイアウォール、IDS/IPS、アンチウイルスソフトなどのセキュリティ対策ソフトの導入状況 | |
アクセス制御、認証システム、ログ管理などのセキュリティ対策の実施状況 | |
セキュリティポリシー、セキュリティ教育の実施状況 | |
個人情報保護法、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)などの法令遵守状況 |
セキュリティインシデント発生時の対応体制、報告体制 | |
過去のセキュリティインシデントの発生状況、再発防止策の実施状況 |
3.4 データ 3.4.1 データ管理
データの種類、量、保管場所、保管方法 | |
データのバックアップ体制、リカバリ手順 | |
データのライフサイクル管理、廃棄ルール | |
データベースの設計、運用、管理体制 |
データ分析の活用状況、分析ツール、分析体制 | |
データ分析によるビジネス成果 |
3.5 組織・人員 3.5.1 IT組織
IT部門の組織構造、人員構成、役割分担 | |
IT部門の経営層への報告体制 | |
IT人材のスキル、経験、資格 | |
IT人材の採用、育成、評価制度 |
IT戦略の策定状況、IT投資計画 | |
IT戦略と事業戦略との整合性 | |
ITガバナンス体制 |
これらの項目に加え、近年では、以下の項目も重要視されています。
3.6 デジタル化への対応
項目 | 内容 |
---|---|
DX推進体制 | DX推進のための組織体制や人材配置、予算などが適切に設定されているか |
デジタル技術の活用状況 | AI、IoT、クラウドなどのデジタル技術の活用状況や今後の計画 |
デジタル化によるビジネスモデルの変革 | デジタル化によるビジネスモデルの変革への対応状況や計画 |
3.7 IT投資対効果
項目 | 内容 |
---|---|
IT投資の評価方法 | IT投資に対する評価方法が明確に定められ、適切に評価されているか |
IT投資の費用対効果 | IT投資の費用対効果が適切に分析され、投資判断に活かされているか |
3.8 ITコンプライアンス
項目 | 内容 |
---|---|
個人情報保護法への対応 | 個人情報保護法に関する社内体制やシステムの整備状況 |
サイバーセキュリティ基本法への対応 | サイバーセキュリティ基本法に基づく、セキュリティ対策の実施状況 |
その他法令遵守 | IT関連のその他法令やガイドラインへの遵守状況 |
これらの項目を調査することで、対象企業のITシステムの現状と課題を把握し、M&A後の統合プロセスにおけるリスクを洗い出すことができます。
4. ITデューデリジェンスの進め方
ITデューデリジェンスは、一般的に以下の3つの段階に沿って進められます。
4.1 準備段階 4.1.1 目的・スコープの明確化
ITデューデリジェンスを実施する目的、対象範囲、スケジュール、予算などを明確に定義します。買収対象企業の事業計画やIT戦略を理解し、デューデリジェンスの重点領域を定めることが重要です。
4.1.2 情報収集買収対象企業から、ITシステムに関する資料提供を受けます。提供を受ける資料としては、ネットワーク構成図、システム構成図、ソフトウェアライセンス一覧、セキュリティ対策状況などが挙げられます。これらの資料に基づき、現状分析を行います。
4.1.3 デューデリジェンスチーム編成ITデューデリジェンスを実施するチームを編成します。チームメンバーは、ITインフラ、アプリケーション、セキュリティ、データ分析などの専門知識を持った人材で構成する必要があります。場合によっては、外部の専門機関に協力を依頼することもあります。
4.2 実施段階 4.2.1 ヒアリング
買収対象企業のIT部門責任者や担当者に対して、現状のITシステムに関するヒアリングを行います。ヒアリングでは、システムの安定稼働状況、セキュリティ対策の状況、IT投資計画などを確認します。
4.2.2 現場調査実際に買収対象企業のデータセンターやサーバー室などを訪問し、ITインフラの状況を調査します。また、システムの運用状況やセキュリティ対策の状況についても、現場で確認を行います。
4.2.3 ドキュメントレビュー買収対象企業から提供されたITシステムに関する資料を精査し、現状分析を行います。具体的には、システム構成、ネットワーク構成、セキュリティ対策、データ管理体制などを確認します。
4.2.4 ツールを用いた分析必要に応じて、専用のツールを用いて、ITシステムの脆弱性診断やパフォーマンス分析などを行います。これらの分析結果に基づき、潜在的なリスクや改善点などを洗い出します。
4.3 報告・評価段階 4.3.1 報告書作成
ITデューデリジェンスの結果をまとめ、報告書を作成します。報告書には、現状分析の結果、潜在的なリスクと影響度、改善策の提案などを記載します。また、買収後のIT統合に向けたロードマップや費用対効果についても言及します。
4.3.2 評価・報告報告書の内容を買収企業に報告し、評価を受けます。報告会では、ITデューデリジェンスの結果に基づき、買収条件の見直しや統合計画の修正などについて協議します。
4.3.3 ITデューデリジェンス結果の活用ITデューデリジェンスの結果は、買収後のIT統合計画策定やシステム刷新計画策定などに活用されます。また、買収後のITリスク管理体制構築にも役立ちます。
段階 | 作業内容 | ポイント |
---|---|---|
準備段階 | 目的・スコープの明確化、情報収集、デューデリジェンスチーム編成 | 買収目的やIT戦略との整合性を考慮し、明確な目的と範囲を定める。 |
実施段階 | ヒアリング、現場調査、ドキュメントレビュー、ツールを用いた分析 | 多角的な視点から情報を収集し、現状を正確に把握する。 |
報告・評価段階 | 報告書作成、評価・報告、ITデューデリジェンス結果の活用 | 発見されたリスクや課題に対する具体的な対策を検討し、意思決定に役立てる。 |
ITデューデリジェンスは、M&Aプロセスにおいて非常に重要な役割を担います。専門的な知識を持ったチームを編成し、適切な手順で実施することで、M&Aのリスクを最小限に抑え、成功に導くことが可能となります。
5. ITデューデリジェンスの費用
ITデューデリジェンスには、その規模や範囲、調査対象企業のシステムの複雑さなどによって費用が大きく変動します。そのため、一概に「いくら」と断言することはできません。しかし、費用感を掴んでおくことは、予算計画を立てる上で重要です。
ここでは、ITデューデリジェンスの費用に影響を与える要素、費用の目安、費用を抑える方法について詳しく解説します。
5.1 費用に影響を与える要素
対象企業の規模(売上高、従業員数など) | |
ITシステムの規模と複雑さ | |
調査項目の範囲と深さ | |
調査期間 | |
調査会社の規模や専門性 | |
追加調査の有無 |
例えば、大企業で複雑なシステムを導入している場合、中小企業でシンプルなシステムを利用している場合と比べて、調査に要する時間や人員が増えるため、費用は高額になります。また、調査項目が多い、専門性の高い調査が必要な場合も費用は増加します。
5.2 費用の目安
規模 | 費用の目安 |
---|---|
小規模企業(売上高数十億円以下) | 数百万円~1,000万円程度 |
中規模企業(売上高数百億円規模) | 1,000万円~2,000万円程度 |
大規模企業(売上高数千億円以上) | 2,000万円~数千万円程度 |
ただし、これはあくまでも目安であり、実際の費用は上記で説明した要素によって大きく変動する可能性があります。正確な費用を知るためには、複数の調査会社に見積もりを依頼することが重要です。
5.3 費用を抑える方法 5.3.1 調査範囲を絞り込む
M&Aの目的を明確化し、本当に必要な調査項目に絞り込むことで、費用を抑えることができます。事前に対象企業から情報提供を受けるなどして、調査の優先順位を検討しましょう。
5.3.2 調査会社を比較検討する複数の調査会社に見積もりを依頼し、費用やサービス内容を比較検討することで、最適な調査会社を選ぶことができます。費用だけで判断するのではなく、専門性や実績なども考慮することが重要です。
5.3.3 対象企業の協力を得る対象企業に調査への協力を依頼し、スムーズに情報提供を受けることで、調査期間を短縮し、費用を抑えることができます。
ITデューデリジェンスは、M&Aを成功させる上で欠かせないプロセスです。費用を抑えることも重要ですが、価格だけで判断するのではなく、質の高い調査によってM&A後のリスクを最小限に抑えることが重要です。
6. ITデューデリジェンスの注意点
ITデューデリジェンスは、M&Aの成否を左右する重要なプロセスですが、注意点もいくつか存在します。ここでは、ITデューデリジェンスを実施する際の注意点について詳しく解説していきます。
6.1 調査範囲と深さの適切な設定
ITデューデリジェンスでは、調査範囲と深さを適切に設定することが重要です。対象範囲が広すぎると、時間とコストがかかりすぎるだけでなく、重要なポイントを見落とす可能性があります。逆に、狭すぎると、リスクを十分に把握できない可能性があります。M&Aの目的、対象企業の規模や業界、システムの重要度などを考慮し、適切な範囲と深さを設定する必要があります。
6.2 専門知識と経験を持つ担当者のアサイン
ITデューデリジェンスでは、高度な専門知識と経験が必要となります。そのため、ITシステム、セキュリティ、データ分析などに精通した専門家をチームにアサインすることが重要です。専門家による客観的な視点からの調査・分析が、M&A後のリスクを最小限に抑え、スムーズな統合を成功させる鍵となります。
6.3 対象企業とのコミュニケーション
ITデューデリジェンスは、対象企業の協力なくしては実施できません。対象企業の担当者と密接にコミュニケーションを取り、円滑な情報提供と協力体制を構築することが重要です。また、調査の目的や内容、スケジュールなどを事前にしっかりと説明し、相互理解を深めておくことが大切です。
6.4 機密情報の取り扱い
ITデューデリジェンスでは、対象企業の機密情報を取り扱うため、情報管理には細心の注意を払う必要があります。秘密保持契約を締結し、情報漏洩防止対策を徹底することが重要です。また、取得した情報は、M&Aの目的以外に使用しないように厳重に管理する必要があります。
6.5 発見された問題点への対応
ITデューデリジェンスの結果、システムの老朽化やセキュリティの脆弱性など、問題点が発見されることがあります。これらの問題点に対して、適切な対応策を検討し、M&A後の統合計画に反映させることが重要です。問題点によっては、M&Aの条件交渉に影響を与える可能性もあるため、慎重な対応が必要です。
6.6 時間制約への対応
一般的に、M&Aのプロセスはタイトなスケジュールで行われることが多く、ITデューデリジェンスも限られた時間内に行う必要があります。効率的な調査計画を立て、必要に応じて外部の専門家を活用するなど、時間制約に対応できる体制を整えることが重要です。
6.7 ITデューデリジェンス結果の活用
ITデューデリジェンスは、M&A後の統合プロセスにおいても重要な役割を果たします。調査結果を基に、システム統合計画やセキュリティ対策、組織統合などを検討することで、スムーズな統合を実現することができます。ITデューデリジェンスは、単なる調査プロセスではなく、M&A後の企業価値向上に繋げるための重要なプロセスとして捉える必要があります。
6.8 よくある課題と対応策
ITデューデリジェンスの実施においては、以下のような課題が生じることがあります。それぞれの課題に対する対応策を事前に検討しておくことで、スムーズな調査を進めることが可能となります。
課題 | 対応策 |
---|---|
情報提供の遅延 | 対象企業との事前の打ち合わせを密に行い、情報提供のスケジュールを明確にする。必要に応じて、エスカレーション体制を構築する。 |
資料の不足や不備 | 事前に必要な資料リストを提供し、不足資料がないことを確認する。資料の形式や言語についても事前に確認し、必要があれば翻訳などを依頼する。 |
担当者とのコミュニケーション不足 | 定期的なミーティングや報告会を設定し、密なコミュニケーションを図る。コミュニケーションツールを活用し、スムーズな情報共有を促進する。 |
調査期間の短縮要請 | 事前に調査範囲を明確化し、優先順位を付ける。必要に応じて、調査チームの増員や外部リソースの活用を検討する。 |
予算の制約 | 調査範囲を絞り込み、費用対効果を最大限に高める。調査方法を工夫し、コスト削減を図る。 |
7. まとめ
本記事では、M&Aを成功に導く上で重要なプロセスであるITデューデリジェンスについて、その目的や調査項目、進め方などについて解説しました。
ITデューデリジェンスを実施することで、買収対象企業のIT資産やリスクを事前に把握し、M&A後の統合プロセスを円滑に進めることが可能となります。
逆に、ITデューデリジェンスを怠ると、想定外のシステムトラブルやセキュリティリスク、コスト発生に繋がる可能性があり、M&A後の事業計画に大きな影響を与える可能性があります。
そのため、M&Aを検討する際には、専門家の知見も積極的に活用しながら、しっかりとITデューデリジェンスを実施することが重要です。