M&Aで失敗しないデューデリジェンス!目的・種類・費用は?【後編】

M&Aで失敗しないデューデリジェンス!目的・種類・費用は?【後編】

本記事は、デューデリジェンスの基礎知識から、費用を抑える方法、注意点をわかりやすく解説する【後編】となります。
前編と合わせてお読みいただくことで、デューデリジェンスに関する基礎知識を網羅できると思いますので、最後までお読みください。

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M&Aで失敗しないデューデリジェンス!目的・種類・費用は?【前編】
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1. デューデリジェンスの進め方 デューデリジェンスは、大きく分けて以下の3つの段階を経て進められます。

1.1 準備段階 1.1.1 目的・範囲の明確化 デューデリジェンスを実施する目的や範囲を明確に定めます。買収対象企業の事業内容、財務状況、法務状況など、どの範囲まで調査を行うかを決定します。

この際、M&A後の事業計画や統合計画を考慮することが必要です。例えば、買収後にシナジー効果を生み出すために特定の事業部門との連携を想定している場合、その部門に関する調査に重点を置く必要があります。

時間的制約や予算なども考慮し、調査範囲を絞り込むことも重要です。焦点を絞ることで、より深く、精度の高いデューデリジェンスを実施することができます。


1.1.2 チーム編成 デューデリジェンスを実施するための専門チームを編成します。一般的には、買収企業内部の担当者、弁護士、公認会計士、税理士、コンサルタントなどの専門家によって構成されます。それぞれの専門分野における知見を結集することで、多角的な視点から調査を進めることができます。

例えば 財務デューデリジェンスには公認会計士、法務デューデリジェンスには弁護士、ビジネス(事業)デューデリジェンスには経営コンサルタントといったように、専門分野に精通した人材をアサインします。
また、チームメンバー間での情報共有や連携をスムーズに行うために、コミュニケーション計画を立てておくことも重要です。適切なチーム編成とコミュニケーション計画は、デューデリジェンスの効率性と質を向上させるために不可欠です。

1.1.3 スケジュール策定 デューデリジェンスの実施期間や各段階におけるスケジュールを策定します。買収交渉の進捗状況なども考慮しながら、現実的なスケジュールを立てることが重要です。

目安としては?

目安としては、数週間から数ヶ月程度かかることが多いです。スケジュール策定においては、買収交渉の期日やデューデリジェンスの対象となる企業の規模、事業内容などを考慮する必要があります。大規模な企業や複雑な事業内容を持つ企業の場合、デューデリジェンスに時間がかかる傾向があります。
スケジュールがタイトすぎると、十分な調査ができない可能性があるため、余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。また、予期せぬ事態が発生した場合に備え、バッファ時間なども考慮しておくとよいでしょう。

1.1.4 情報収集 買収対象企業に対して、調査に必要な資料や情報の提供を依頼します。財務諸表、契約書、従業員に関する資料、事業で分析しているKPI資料など、多岐にわたる情報を収集します。これらの情報は、デューデリジェンスの基礎資料となるため、正確かつ網羅的に収集することが重要です。
情報収集の際には、データルームと呼ばれるオンライン上のデータベースが用いられることが一般的です。データルームを利用することで、安全かつ効率的に情報共有を進めることができます。

また、情報提供依頼書を作成し、必要な情報を明確に伝えることで、漏れや不足を防ぐことができます。さらに、提供された情報に不明点や疑問点がある場合は、速やかに質問し、解消しておくことが重要です。

1.2 実行段階 1.2.1 現場調査
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買収対象企業に訪問し、現場での調査を行います。実際に従業員と面談したり、設備や在庫状況などを確認したりすることで、資料だけでは把握できない情報を得ることができます。
また、企業文化や組織風土なども肌で感じることができます。例えば、製造業であれば工場の稼働状況や設備の老朽化度合い、小売業であれば店舗の立地や顧客層、サービス業であれば顧客満足度や従業員の接客態度などを確認します。

現場調査を通じて、企業の現状や課題をより深く理解することができます。また、経営陣や従業員との面談を通して、企業文化や組織風土、従業員のモチベーションなどを肌で感じ取ることができます。

現場調査で得られた情報は、定量的なデータだけではわからない、企業の潜在的なリスクや機会を発見する手がかりとなります。

1.2.2 資料検証・分析 収集した資料や情報を基に、専門家チームが詳細な検証・分析を行います。財務状況の分析、法務リスクの評価、事業計画の妥当性検証など、それぞれの専門分野における知見を活かして、多角的な分析を行います。

財務デューデリジェンスでは、粉飾決算のリスクがないかどうかも検証します。法務デューデリジェンスでは、潜在的な法的リスクを洗い出します。

ビジネス(事業)デューデリジェンスでは、事業の収益構造や競争優位性を分析し、将来の成長性を評価します。これらの分析結果を総合的に判断することで、買収対象企業の企業価値を評価します。

1.2.3 課題・リスクの抽出
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検証・分析の結果に基づいて、買収対象環境や経済状況の変化によって、将来、収益が悪化する可能性もあります。また、買収対象企業の抱える法的リスクが顕在化し、訴訟費用や損害賠償金の支払いが発生する可能性もあります。
これらのリスクを事前に洗い出し、評価しておくことで、買収後のトラブルや損失を回避することができます。リスクを洗い出すだけでなく、その影響度や発生確率を分析し、優先順位をつけておくことが重要です。

影響度や発生確率の高いリスクに対しては、重点的に対策を検討する必要があります。企業の課題やリスクを抽出します。財務上の問題点、法令違反の可能性、潜在的な訴訟リスクなど、様々なリスクが考えられます。

リスクの大きさや影響度などを評価し、優先順位をつけていきます。例えば、財務デューデリジェンスにおいて、債務超過や売上高の減少傾向が明らかになった場合、それは重大な財務リスクとして認識されます。

法務デューデリジェンスにおいて、重要な契約書に不備が見つかった場合、それは将来的な訴訟リスクにつながる可能性があります。また、ビジネス(事業)デューデリジェンスにおいて、競合企業の参入が予想される場合、それは買収後の事業計画に影響を与える可能性があります。
これらの課題やリスクは、買収後の統合プロセスや事業計画に大きな影響を与える可能性があるため、軽視することはできません。


1.2.4 質問状による確認 調査の過程で生じた疑問点や不明点について、買収対象企業に対して質問状を送付し、回答を求めます。質問状は、デューデリジェンスの重要なプロセスの一つであり、不明点を解消することで、より正確な評価を行うことができます。
質問状は、具体的な内容を記載し、回答期限を明確に設定する必要があります。また、必要に応じて、追加資料の提出を求めることも有効です。質問に対する回答内容によっては、追加の調査や分析が必要となる場合もあります。

質問状に対する回答内容を精査することで、当初の調査では分からなかった事実が判明したり、新たなリスクが発見されたりすることがあります。そのため、質問状は、デューデリジェンスを効果的に進める上で欠かせないプロセスと言えるでしょう。

1.3 報告段階 1.3.1 報告書作成 報告書 デューデリジェンスの結果をまとめた報告書を作成します。報告書には、調査内容、分析結果、課題・リスクの評価、買収後の統合計画への影響などが記載されます。

報告書は、買収の最終判断を行う経営層にとって重要な資料となります。報告書には、デューデリジェンスで発見された課題やリスクに対する評価と、その対策案を具体的に記載することが重要です。

また、報告書の内容は、図表やグラフなどを用いて分かりやすくまとめることが重要です。これにより、経営層は、デューデリジェンスの結果を容易に理解し、買収の可否や条件交渉の判断材料とすることができます。

さらに、報告書は、買収後の統合プロセスにおいても重要な資料となるため、詳細かつ正確に作成する必要があります。

1.3.2 報告会の実施 買収企業の経営層に対して、デューデリジェンスの結果報告会を実施します。報告会では、報告書の内容を説明するとともに、質疑応答を通じて、疑問点や懸念点を解消します。

また、今後の交渉戦略や統合計画についても協議します。報告会には、買収企業の経営層だけでなく、デューデリジェンスを実施した専門家チームも参加し、報告内容に関する質疑応答に対応します。

質疑応答を通じて経営層は、デューデリジェンスの結果に対する理解を深め、買収に関する最終判断を行うための材料を得ることができます。また、報告会では、デューデリジェンスの結果を踏まえた今後の交渉戦略や統合計画についても協議します。

例えば デューデリジェンスで発見されたリスクを踏まえ、買収価格の調整やリスクヘッジ条項の追加などを検討します。また、統合計画についても、デューデリジェンスの結果を踏まえ、具体的なスケジュールや体制などを再検討します。報告会は、デューデリジェンスの結果を関係者間で共有し、今後の買収プロセスを円滑に進めるための重要な機会となります。
1.3.3 交渉への反映
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デューデリジェンスで明らかになった課題やリスクを踏まえ、買収条件の交渉を行います。買収価格の調整、リスクヘッジ条項の追加、統合計画の見直しなど、必要に応じて交渉を進めます。

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デューデリジェンスの結果は、買収交渉を有利に進めるための重要な材料となります。例えば、デューデリジェンスで重大な財務リスクが発見された場合、買収価格の引き下げを要求することができます。

また、潜在的な訴訟リスクが明らかになった場合、リスクヘッジ条項を契約書に追加を要求することができます。さらに、デューデリジェンスの結果、当初予定していた統合計画に修正が必要となった場合、統合計画の見直しを求める交渉を行うこともあります。

デューデリジェンスの結果を交渉材料として活用することで、買収企業は、より有利な条件で買収契約を締結することができます。

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2. デューデリジェンスの注意点 デューデリジェンスは、M&Aプロセスにおいて非常に重要な段階ですが、注意点もいくつか存在します。注意点を押さえずにデューデリジェンスを進めてしまうと、後々トラブルが発生する可能性もあるため、細心の注意が必要です。

2.1 専門家との連携 デューデリジェンスは、財務、法務、税務、人事、ITなど、多岐にわたる専門知識を必要とするため、自社だけで全てをカバーすることは困難です。

そのため、弁護士、公認会計士、税理士、人事コンサルタント、ITコンサルタントなどの専門家と連携し、専門的な視点から調査・分析を行うことが重要となります。

専門家を活用することで、より精度の高いデューデリジェンスを実施することができます。

弁護士契約書や法的リスクのチェック、法的アドバイス
公認会計士財務諸表の監査、財務状況の分析、会計処理の妥当性の検証
税理士税務リスクのチェック、税務アドバイス
人事コンサルタント人事制度、労務管理、従業員のスキル・能力などの調査
ITコンサルタントITシステムの現状分析、セキュリティリスクの評価

専門家を選定する際には、M&Aに関する豊富な経験や実績を持つ専門家を選ぶことが重要です。実績や経験が豊富な専門家であれば、デューデリジェンスのプロセスや注意点などを熟知しているため、スムーズにデューデリジェンスを進めることができます。

また、M&Aの対象となる企業や業界に精通している専門家であれば、より的確な調査・分析を行うことができます。

2.1.1 専門家を選ぶメリット
専門知識や経験に基づいた調査・分析
客観的な視点からのアドバイス
時間と労力の節約
リスクの早期発見と対応

2.2 情報管理の徹底 デューデリジェンスでは、企業の機密情報を取り扱うため、情報管理を徹底する必要があります。情報漏洩は、企業の信用を失墜させ、大きな損害を与える可能性があります。

そのため、情報管理には細心の注意を払い、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。情報漏洩は、企業の業績悪化、訴訟リスク、風評被害など、様々なリスクを引き起こす可能性があります。情報管理はデューデリジェンスにおける最重要事項の一つと言えるでしょう。

2.2.1 情報漏洩のリスク

風評被害

情報漏洩は、企業の評判を大きく傷つけ、顧客や取引先からの信頼を失墜させる可能性があります。一度失った信頼を取り戻すことは容易ではなく、企業の存続にも関わる重大な問題となる可能性があります。

例えば、顧客情報が漏洩した場合、顧客離れを引き起こし、売上減少に繋がる可能性があります。また、取引先情報が漏洩した場合、取引停止や契約解除に繋がる可能性があります。

訴訟リスク

情報漏洩によって顧客や取引先に損害を与えた場合、損害賠償請求訴訟を起こされる可能性があります。訴訟費用や損害賠償金の支払いは、企業にとって大きな負担となるでしょう。また、訴訟対応に追われることで、本来の業務に支障が出る可能性もあります。


競争上の不利益

企業の機密情報が競合他社に漏洩した場合、競争上の優位性を失い、市場シェアの低下や業績悪化に繋がる可能性があります。例えば、新製品の開発情報が漏洩した場合、競合他社に先を越されてしまい、市場参入の機会を失う可能性があります。

また、価格戦略や販売戦略などの情報が漏洩した場合、競合他社に有利なように市場を動かされてしまい、売上減少に繋がる可能性があります。

2.2.2 具体的な情報管理対策

秘密保持契約の締結

デューデリジェンスを開始する前に、対象企業との間で秘密保持契約を締結しておくことが重要です。秘密保持契約は、デューデリジェンスの過程で開示された情報が、M&A以外の目的で使用されたり、第三者に漏洩されたりすることを防ぐためのものです。

秘密保持契約を締結することで、情報漏洩のリスクを抑制することができます。秘密保持契約には、守秘義務の対象となる情報、守秘義務の範囲、守秘義務の期間、違反時の責任などが規定されています。これらの項目について、事前に対象企業とよく協議しておくことが重要です。


アクセス権の制限

デューデリジェンスに関わる情報へのアクセスは、必要最低限の人員に限定する必要があります。アクセス権を持つ担当者には、情報管理の重要性について、周知徹底しておくことが重要です。

また、アクセスログを記録することで、万が一情報漏洩が発生した場合の原因究明に役立てることができます。アクセス権の付与は、適切な審査に基づいて行い、必要最低限の権限に留めるべきです。

定期的にアクセス権の見直しを行い、不要なアクセス権は速やかに削除する必要があります。

データの保管・廃棄

デューデリジェンスで使用する資料やデータは、適切な方法で保管する必要があります。紙媒体の資料は、施錠できるキャビネットなどに保管し、電子データは、パスワードで保護されたサーバーやパソコンに保存するなど、セキュリティレベルの高い方法で保管することが大切です。

また、デューデリジェンス終了後には、不要になった資料やデータを、速やかにシュレッダーやデータ消去ソフトなどを用いて完全に廃棄する必要があります。

廃棄した資料やデータが、第三者の手に渡り、情報漏洩に繋がることを防ぐ必要があります。データの保管場所や廃棄方法は、明確なルールを定め、担当者に周知徹底する必要があります。データの持ち出しや複製は、原則として禁止し、必要な場合は、上司の許可を得るなどのルールを設けることが重要です。


2.3 スケジュール管理 デューデリジェンスは、限られた期間内に行う必要があるため、スケジュール管理が重要です。スケジュール通りに進捗するように、綿密な計画を立て、関係者間で情報共有を行う必要があります。スケジュールが遅延すると、M&A全体のスケジュールにも影響が及ぶ可能性があります。

そのため、スケジュール管理は徹底して行う必要があります。スケジュールが遅延すると、追加費用の発生、機会損失、関係者とのトラブルなど、様々な問題が発生する可能性があります。

2.3.1 スケジュール遅延のリスク

追加費用の発生

スケジュールが遅延した場合、専門家への追加報酬や、資料作成などの追加費用が発生する可能性があります。また、デューデリジェンスの期間が長引くことで、従業員の拘束時間が増え、コストが増加する可能性もあります。

機会損失

スケジュールが遅延することで、M&Aの機会を逃してしまう可能性があります。競合他社に買収されてしまったり、市場環境の変化によってM&Aのメリットが薄れてしまったりする可能性があります。また、デューデリジェンスの長期化によって、対象企業の経営陣や従業員のモチベーションが低下し、M&A後の統合がスムーズに進まなくなる可能性もあります。

関係者とのトラブル

スケジュールが遅延すると、買収企業、対象企業、専門家などの関係者間で、責任の所在や費用負担などを巡ってトラブルが発生する可能性があります。トラブルが深刻化した場合、M&A自体が破れる可能性もあります。


2.3.2 具体的なスケジュール管理方法

デューデリジェンスの期間

デューデリジェンスの期間は、M&Aの規模や対象企業の事業内容、デューデリジェンスの範囲などによって異なりますが、一般的には数週間から数ヶ月程度とされています。デューデリジェンスの期間が短すぎると、十分な調査・分析を行うことができず、重要なリスクを見落とす可能性があります。

一方、デューデリジェンスの期間が長すぎると、M&Aのコストが増加したり、対象企業の経営に影響を与えたりする可能性があります。そのため、適切なデューデリジェンスの期間を設定することが重要です。デューデリジェンスの期間を設定する際には、買収企業、対象企業、専門家などの関係者間で十分な協議を行い、合意形成を図ることが必要です。

必要に応じて、デューデリジェンスの期間を柔軟に見直すことも検討する必要があります。

工程表の作成

スムーズにデューデリジェンスを進めるためには、工程表を作成し、各工程の担当者、開始日、終了日などを明確にしておくことが重要です。また、定期的に進捗状況を確認し、スケジュール通りに進捗しているか確認する必要があります。

スケジュールに遅延が発生している場合には、その原因を分析し、遅延を取り戻すための対策を講じる必要があります。工程表を作成する際には、WBS(Work Breakdown Structure)などを活用し、作業を細分化することで、より精度の高いスケジュール管理が可能になります。

また、ガントチャートなどを用いることで、進捗状況を視覚的に把握することができます。

関係者とのコミュニケーション

デューデリジェンスは、買収企業、対象企業、弁護士、公認会計士、税理士など、多くの関係者が関わるため、関係者間のコミュニケーションを密にすることが重要です。こまめに連絡を取り合い、情報共有や進捗状況の報告を行うことで、スムーズにデューデリジェンスを進めることができます。

また、問題が発生した場合には、早期に関係者に共有し、対応策を協議することが必要です。関係者間で連携し協力することで、デューデリジェンスを成功に導くことができます。関係者間のコミュニケーションには、メール、電話、Web会議など、様々なツールを活用することができます。

定期的にミーティングを開催し、情報共有や意見交換を行うことも有効です。コミュニケーションを円滑に行うためには、関係者間の信頼関係を築くことが重要です。


これらの注意点に留意しながらデューデリジェンスを実施することで、M&Aのリスクを最小限に抑え、成功に導くことが可能になります。デューデリジェンスは、M&Aを成功させるための重要なプロセスであるため、時間と労力を惜しまずに、しっかりと取り組むようにしましょう。

デューデリジェンスは、M&A後の統合プロセス(PMI)にも影響を与える重要なプロセスです。デューデリジェンスをしっかりと行うことで、PMIをスムーズに進め、M&Aの成功確率を高めることができます。

そのためにも、デューデリジェンスの重要性を十分に認識し、計画的かつ戦略的に取り組むようにしましょう。

3. 【前編・後編】まとめて総括 今回は、M&Aにおけるデューデリジェンスについて解説しました。デューデリジェンスとは、M&A対象企業の価値やリスクを詳細に調査するプロセスです。企業価値の適正評価、リスクの洗い出し、買収後の統合プロセス円滑化など、M&Aを成功に導くために非常に重要な役割を担っています。

デューデリジェンスには、財務状況を調査する財務デューデリジェンス、法務上の問題点がないかを確認する法務デューデリジェンス、人事・組織体制を評価する人事デューデリジェンスなど、様々な種類があります。費用は、調査対象の規模や範囲によって大きく変動しますが、適切なデューデリジェンスの実施は、M&A後のトラブル防止、統合プロセス成功のために欠かせません。

デューデリジェンスは、専門性の高い分野も多いため、弁護士、公認会計士、税理士などの専門家と連携しながら進めることが重要です。また、機密情報を取り扱うため、情報管理を徹底することも必要です。

デューデリジェンスを適切に行うことで、M&Aのリスクを最小限に抑え、成功の可能性を高めることができます。



編集者の紹介

日下部 興靖

株式会社M&A PMI AGENT
代表取締役 日下部 興靖

上場企業のグループ会社の取締役を4社経験。M&A・PMI業務・経営再建業務などを10年経験し、多くの企業の業績改善を行ったPMIのスペシャリスト。3か月のPMIにて期首予算比で売上1.8倍、利益5倍などの実績を持つ。

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