PMI人材の採用を成功させる戦略とは?【M&Aに積極的な企業必読】

PMI人材の採用を成功させる戦略とは?【M&Aに積極的な企業必読】

M&A後の統合プロセスであるPMI(Post Merger Integration)を成功させるには、専門知識や経験を有した人材の確保が不可欠です。PMI人材の採用は、専門性の高さや市場の活況から、多くの企業が課題を抱えています。

icon
この記事では、PMI人材の定義や必要とされる背景、採用における課題を解説するとともに、具体的な戦略や成功事例を紹介します。PMI人材の採用を成功させ、M&Aによるシナジー創出を実現するためのヒントが満載です。
M&A PMI AGENTは上場企業・中堅・中小企業の「M&AからPMI支援までトータルサポート」できるM&A仲介会社です。詳しくはコンサルタントまでお気軽にご相談ください。

M&A・PMI支援のご相談はこちら

1. PMI(Post Merger Integration)人材とは? 1.1 PMI人材の定義
icon
PMI人材とは、M&A(合併・買収)後の統合プロセス(PMI:Post Merger Integration)において、専門的な知識やスキルを駆使して、統合計画の策定から実行、統合後の新会社の発展までを担うプロフェッショナルです。

M&Aは、単に2つの企業が法的に統合されるだけでなく、企業文化・組織構造・業務プロセス・システムなど、多岐にわたる統合を成功させることが重要となります。PMI人材はこの複雑かつ困難な統合プロセスを円滑に進め、M&Aの成功確率を高める役割を担います。

1.2 PMI人材に求められるスキル

PMI人材には、高いコミュニケーション能力・リーダーシップ・問題解決能力・交渉力など、多岐にわたるスキルが求められます。具体的には以下のようなスキルが挙げられます。

プロジェクトマネジメント

PMIは、複数のプロジェクトが同時並行で進行する大規模なプロジェクトとなる場合が多く、統合計画の策定・タスク管理・進捗管理・関係者間の調整など、プロジェクト全体を統括するスキルが求められます。

コミュニケーション能力

M&A後の企業は文化や価値観の異なる組織が統合されるため、従業員間のコミュニケーションが重要となります。PMI人材は従業員間の相互理解を深め、円滑なコミュニケーションを促進する役割を担います。そのため、高いコミュニケーション能力・傾聴力・交渉力などが求められます。

異文化理解

異なる企業文化を持つ組織を統合する際には、相互理解と尊重が不可欠です。PMI人材は文化の違いを理解し、両社の文化を融合させて新しい企業文化を創造していくことが求められます。

専門知識

PMI担当者は、財務・人事・法務・ITなど、様々な分野に精通している必要があります。特に、M&Aに関する法規制や会計基準・統合後のシステム統合など、専門的な知識が求められます。

これらのスキルに加えてPMI人材には、変化への対応力・柔軟性・リーダーシップ・プレッシャーへの強さなども求められます。M&A後の統合プロセスは予想外の事態が発生することも多く、状況に応じて柔軟に対応していく能力が重要となります。

【関連】PMIコンサルティングとPMIエージェントの違いとは?PMI支援を頼む前に知るべき内容

2. PMI(Post Merger Integration)人材が必要とされる背景 2.1 M&A市場の活況
icon
近年、日本国内外においてM&A市場は活況を呈しています。企業は、市場競争の激化・技術革新の加速・グローバル化の進展といった外部環境の変化に対応するために、M&Aを戦略的に活用する傾向が強まっています。特に、IT・ヘルスケア・製造業などの成長分野においては、大型のM&Aが相次いでいます。

M&Aの件数は増加の一途をたどっており、それに伴いPMIの重要性も増しています。M&Aはあくまでスタートラインであり、真の成功を収めるためには、PMIを通じて買収対象企業との統合を円滑に進め、シナジー効果を最大限に引き出すことが不可欠です。


2.2 M&A後の統合プロセスにおける課題

M&A後の統合プロセスは、非常に複雑で困難を伴います。異なる企業文化・組織構造・業務プロセスを統合し、新たな企業としての一体感を醸成するためには、多大な時間・労力そして専門知識が必要となります。

M&A後の統合プロセスにおける主な課題としては、以下のような点が挙げられます。

課題 詳細
企業文化の衝突 買収企業と買収対象企業の企業文化が大きく異なる場合、従業員の間に摩擦が生じ、モラルの低下・離職率の増加につながることがあります。
組織構造の統合 重複する部門や役割を整理し、新たな組織構造を構築する必要がありますが、権限や責任の所在が不明確になり混乱が生じることがあります。
業務プロセスの統一 異なる業務プロセスを統一し効率的な運営体制を構築する必要がありますが、システムの統合や従業員のトレーニングに時間がかかり業務が滞ることがあります。
コミュニケーション不足 経営層から従業員、買収企業と買収対象企業の間で、十分なコミュニケーションが取れない場合、不信感や不安感が生まれ、統合プロセスが円滑に進まないことがあります。
人材の流出 M&Aに伴う組織変更や雇用不安などから、優秀な人材が流出してしまうことがあります。特に、買収対象企業のキーパーソンが離職してしまうと、統合プロセスに大きな支障が生じる可能性があります。

これらの課題を克服し、M&Aを成功に導くためには、PMIを専門的に推進できる人材の確保が極めて重要となっています。


3. PMI人材採用の課題 3.1 専門性の高い人材の不足
icon
PMIは、M&Aの成否を左右する重要なプロセスでありながら日本ではまだ歴史が浅く、専門的な知識や経験を持つ人材が不足しています。

企業文化やビジネスモデルの異なる組織をスムーズに統合するには、高いコミュニケーション能力・交渉力・リーダーシップ・プロジェクトマネジメント力など、多岐にわたるスキルが求められます。

しかし、これらのスキルを兼ね備えた人材は限られており、採用市場では奪い合いが起きています。


3.2 報酬水準の高騰

PMI人材の需要の高まりに伴い、彼らの報酬水準も上昇しています。特に、豊富な経験と実績を持つ人材は、高額な報酬を提示されて転職するケースも少なくありません。そのため、PMI人材を採用するには、企業は競争力のある報酬体系を整備する必要があり、人件費の増加が経営を圧迫する可能性も出てきます。


3.3 競争の激化

M&A市場の活況を受け、PMI人材の獲得競争は激化しています。大手コンサルティング会社や投資ファンド・事業会社など、様々な企業がPMI人材を求めており、採用活動は熾烈を極めています。

特に、グローバルなM&A案件に対応できるバイリンガル人材は、より一層競争が激しくなっています。

経験豊富な人材の獲得競争

PMIの成功には、豊富な経験を持つ人材が不可欠です。しかし、そのような人材は限られており、多くの企業が奪い合いをしています。ヘッドハンティングや高額な報酬提示など、企業はあの手この手で優秀な人材の獲得を目指しています。

新卒採用市場におけるPMI人材の不足

近年、新卒採用においても、PMIを経験できる企業や職種への関心が高まっています。しかし、PMIは専門性の高い分野であるため、新卒で即戦力となる人材は限られています。企業は新卒採用においても、長期的な視点でPMI人材を育成していく必要があります。

企業規模による採用力の差

大企業は、豊富な資金力と知名度を活かして、優秀なPMI人材を獲得できる可能性が高いです。一方、中小企業は、採用ブランド力や報酬面で大手企業に劣るため、PMI人材の確保に苦戦するケースが多く見られます。

項目 大企業 中小企業
資金力 豊富 限られている
知名度 高い 低い
採用ブランド力 強い 弱い
報酬 高額 低い
PMI人材の獲得 有利 不利

3.4 PMI人材の育成の難しさ

PMI人材は、一朝一夕に育成できるわけではありません。実務経験を通じて、様々な知識やスキルを習得していく必要があります。

しかし、PMIは頻度が低い業務であるため、OJTで育成するのが難しいという課題があります。企業は、PMI研修プログラムの実施や外部機関への委託など、戦略的な人材育成計画を策定する必要があります。

体系的な研修プログラムの不足

PMIに関する体系的な研修プログラムを提供している企業や機関は限られています。そのため、企業は独自に研修プログラムを開発したり、外部の研修機関と連携したりする必要があります。

しかし、効果的な研修プログラムの開発や外部機関の選定には、専門的な知識やノウハウが必要となります。

実務経験の機会の少なさ

PMIは、M&A後の限られた期間に行われる業務であるため、実務経験を積む機会が限られています。そのため、座学で学んだ知識を活かす場が少なく、人材育成がなかなか進まないというジレンマがあります。

企業は、M&Aプロジェクトへの参画や社内異動などを通じて、従業員に実務経験を積ませる機会を積極的に創出していく必要があります。


4. PMI人材採用を成功させる戦略
icon
PMI人材の採用は、多くの企業にとって困難な課題となっています。しかし、戦略的に採用活動を行うことで、優秀な人材を獲得できる可能性を高めることができます。ここでは、PMI人材採用を成功させるための戦略を具体的に解説します。

4.1 求める人物像の明確化

PMI人材の採用を成功させるためには、まず「どのような人材を求めているのか」を明確にすることが重要です。単に「PMI経験者」と募集するのではなく、自社のPMIプロセスにおいてどのような役割を担い、どのようなスキルや経験を発揮して欲しいのかを具体的に定義しましょう。

企業文化やビジョンとの適合性、リーダーシップやコミュニケーション能力など、重視する要素を明確にすることで、採用活動の軸が定まりより効果的な選考が可能になります。


4.2 魅力的な求人情報の作成

優秀なPMI人材は、多くの企業から求められています。そのため、他の企業との差別化を図り、自社の魅力を効果的に伝える求人情報を作成することが重要です。ここでは、求人情報に含めるべき重要な要素を詳しく解説します。

募集職種の明確化と具体的な業務内容

求人情報には、募集する職種を具体的に記載し、PMIにおける役割や責任範囲を明確に示す必要があります。

例えば 「PMIマネージャー」や「PMIコンサルタント」といった一般的な職種名だけでなく、「事業統合PM」「システム統合PM」のように、具体的な業務内容がイメージできるような職種名を記載することが重要です。
また、担当するプロジェクトの規模や、関わるステークホルダーなどを具体的に示すことで、応募者の具体的な業務イメージを促進し、ミスマッチを減らすことができます。

さらに、業務内容だけでなく、期待される成果やその後のキャリアパスなども具体的に示すことで、応募者のモチベーションを高めることができます。

企業文化やビジョン、成長機会の発信

PMI人材は、単に高い報酬や待遇だけでなく、企業文化やビジョンへの共感、成長機会を求めて転職活動を行うケースも多いです。そのため、求人情報には自社の企業文化やビジョン・成長戦略などを明確に示し、応募者にとって魅力的な職場であることをアピールする必要があります。

例えば 経営理念やビジョン、目指す社会への貢献・社員を大切にする社風などを具体的に紹介することで、応募者の共感を高めることができます。また、PMIを通じて、どのような成長機会を提供できるのか、具体的な研修制度やキャリアパスなどを明示することで、応募者の将来への期待感を高めることが重要です。
処遇や福利厚生の明記

求人情報には、応募者にとって重要な情報である、給与や待遇、福利厚生などの情報を明確に記載する必要があります。特に、PMI人材は専門性が高く、市場価値も高いため、競争力のある報酬体系を設定することが重要です。

具体的な給与額や賞与支給実績・昇給制度などを明記することで、応募者の不安を解消し安心して応募できる環境を整えることができます。

また、フレックスタイム制やリモートワーク制度など柔軟な働き方を導入している場合は、積極的にアピールすることで、ワークライフバランスを重視する応募者にとっても魅力的な職場となるでしょう。


4.3 適切な採用チャネルの選択

PMI人材を採用するためには、適切な採用チャネルを選択することが重要です。一口にPMI人材といっても、経験やスキル・専門分野は多岐にわたるため、ターゲットとする人材層に最適なチャネルを選択する必要があります。ここでは、代表的な採用チャネルの特徴と、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。

チャネル メリット デメリット 適切なケース
人材紹介会社
  • 専門性の高いコンサルタントによる、企業と候補者のマッチング
  • 非公開求人の紹介など、より広範囲な候補者へのアプローチ
  • 選考から入社までのサポート
  • 高額な手数料
  • 紹介会社とのコミュニケーションや、求める人物像のすり合わせに時間がかかる場合がある
  • マネジメント層や、高度な専門スキルを持つPMI人材の採用
  • 緊急性の高い採用
  • 採用活動の効率化
転職サイト
  • 比較的低コストで、多くの求職者にアプローチ可能
  • 自社で主体的に候補者を選考できる
  • 応募者側から直接応募があるため、入社意意識の高い人材を獲得できる可能性がある
  • 応募者数が多く、選考に時間がかかる場合がある
  • 競合企業が多く、母集団形成が難しい
  • 専門性の高いPMI人材の獲得には不向きな場合がある
  • 若手・中堅層のPMI人材の採用
  • 特定の業界・職種経験を持つ人材の採用
  • コストを抑えた採用活動
自社ホームページ
  • 採用コストを抑えられる
  • 自社の企業文化やビジョンを効果的にアピールできる
  • 企業理念への共感度の高い人材を獲得できる可能性がある
  • 応募者数が集まりにくい
  • 認知度が低い場合は、応募者の獲得が難しい
  • 採用活動に時間がかかる場合がある
  • 企業理念への共感度が高い人材の採用
  • 長期的な採用活動
  • 採用ブランディングの強化

4.4 選考プロセスにおける工夫

PMI人材の選考においては単なる経験やスキルだけでなく、企業文化への適応力やポテンシャルなども見極めることが重要です。ここでは、選考プロセスにおける工夫点について解説します。

PMI経験やスキルを評価できる選考方法

PMI人材の選考においては、過去のPMI経験や具体的なスキルを評価できる選考方法を取り入れることが重要です。

例えば 過去のPMIプロジェクトにおける役割や、具体的な成果を記述させる「職務経歴書」、ケーススタディ形式でPMIにおける課題解決能力や意思決定能力を評価する「グループワーク」、PMIに関する専門知識や、問題解決能力を評価する「筆記試験」などを実施することで、応募者の実務能力を多角的に評価することができます。
また、近年では、オンラインでの選考プロセスを導入する企業も増えています。オンライン面接や、オンラインテストなどを活用することで、時間や場所の制約を減らし、効率的な選考プロセスを実現することができます。

企業文化への適応を重視した面接

PMI人材の選考においては経験やスキルだけでなく、企業文化への適応力も重要な要素となります。面接では、応募者の価値観や・行動特性・コミュニケーション能力などを多角的に見極める必要があります。

例えば 「なぜPMIに興味を持ったのか」「過去のPMI経験で、どのような困難に直面し、どのように乗り越えたのか」「PMIにおいて、どのような役割を担いたいと考えているのか」など、行動意図や価値観を深掘りすることで、企業文化との適合性を評価することができます。
また、複数回の面接を実施することで、応募者のより深い理解を得ることができ、ミスマッチを減らすことができます。

迅速な選考と内定出し

優秀なPMI人材は、多くの企業から注目されており、転職活動の期間も短期化する傾向にあります。そのため、企業側は迅速な選考プロセスと、内定出しを心がける必要があります。

選考プロセスを可能な限り簡素化し、各選考段階の結果を迅速にフィードバックすることで、応募者の不安を解消し、転職活動における優位性を確保することができます。

また、内定条件は応募者の希望を考慮し、魅力的な条件を提示することで内定承諾率を高めることが重要です。内定承諾後も定期的なコミュニケーションを取り、入社までの不安を解消することで円滑な入社を促すことができます。


4.5 採用後のオンボーディング

PMI人材を採用できたとしても、それで終わりではありません。採用後、早期に活躍してもらうためには、適切なオンボーディングプログラムを通じて、企業文化や業務内容への理解を深めてもらうことが重要です。ここでは、効果的なオンボーディングプログラムの例を紹介します。

PMI研修プログラムの実施

PMIに関する基礎知識や、社内手続き・関連部署との連携など、実践的な内容を盛り込んだ研修プログラムを実施することで、早期に活躍できる環境を整えることができます。

また、経験豊富な社員によるOJTや、外部の専門機関による研修などを組み合わせることで、より実践的なスキルを習得することができます。研修後には、習得した知識やスキルを活かせる機会を提供することで、定着率を高めることが重要です。

メンター制度の導入

新入社員一人ひとりに、経験豊富な社員をメンターとして配置することで、業務上の相談やキャリア形成のアドバイスなど、きめ細やかなサポートを提供することができます。メンター制度を通じて、新入社員は社内ネットワークを築き、企業文化への理解を深めることができます。

また、メンターにとっても、自身の経験や知識を共有することで、リーダーシップや指導力の向上に繋がるというメリットがあります。


4.6 PMI人材が採用できない場合

適切な戦略を立てても、PMI人材の採用が難しい場合もあります。社内リソースが不足している場合や、専門性の高いPMI人材の採用が困難な場合は、外部の専門家に支援を依頼することも検討しましょう。

PMI支援会社に依頼する

PMI支援会社は、PMIに関する豊富な知識や経験を持つ専門家チームを抱えており、企業のPMIプロセスを総合的にサポートしています。

PMI人材の採用支援だけでなく、PMI戦略の策定から、実行、評価まで、幅広いサービスを提供しているため、企業のニーズに合わせて、柔軟に活用することができます。PMI支援会社に依頼することで、専門家の知見を借りながら、PMIを成功に導くことができます。


PMI支援サービスはこちら

5. PMI人材が採用できない場合
icon
PMI人材の採用は、専門性の高さや市場の競争激化などにより、困難なケースも少なくありません。採用活動に想定以上の時間がかかってしまうとPMIの開始が遅れ、統合プロセスに支障が生じる可能性もあります。

このような事態を避けるためには、外部の専門家の力を借りることも有効な手段です。


5.1 PMI支援会社への依頼

PMI支援会社は、M&A後の統合プロセスを専門的に支援する企業です。豊富な経験と専門知識を持つPMIコンサルタントが、現状分析から統合計画の策定・実行支援・進捗管理まで、PMIのあらゆるフェーズをサポートします。PMI人材の採用が難しい場合、PMI支援会社に依頼することで以下のようなメリットが期待できます。

PMI支援会社に依頼するメリット
M&A投資全体の費用対効果の向上
専門家による迅速かつ効率的なPMI推進
企業の負担軽減とコスト削減
統合リスクの最小化
従業員の混乱や不安の抑制
PMI支援会社の選び方

数多くのPMI支援会社が存在するため、自社のニーズや課題に最適なパートナーを選ぶことが重要です。実績や専門分野・費用などを比較検討し、信頼できる会社を選びましょう。具体的には、以下のポイントを参考にするとよいでしょう。

項目 詳細
実績と経験 M&Aの規模や業界、PMIの実績などを確認しましょう。自社と同様のケースを多く手掛けている会社であれば、より的確なサポートが期待できます。
専門分野 PMI支援会社によって、得意とする分野や専門性が異なります。例えば、人事制度統合、システム統合、組織文化統合など、自社の課題に合致した専門知識を持つ会社を選びましょう。
費用体系 支援内容や期間、料金体系などを事前に確認し、予算と照らし合わせて検討しましょう。相見積もりを取ることによって、より適切な費用感をつかむことができます。
コミュニケーション能力 PMIは、企業文化や従業員の感情にも配慮しながら進める必要があるため、コミュニケーション能力の高さは重要な要素です。担当者との相性や、報告体制などが明確であるかどうかも確認しましょう。

5.2 PMI支援会社と外部人材活用による柔軟な対応

PMI支援会社を利用する場合、必ずしもすべての業務を委託する必要はありません。自社の状況に合わせて、必要な業務を部分的に依頼することも可能です。

例えば 統合計画の策定や主要な意思決定は自社で行い、人事制度統合やシステム統合など、専門性の高い業務のみを外部に委託するケースもあります。

また、PMI支援会社と並行して、外部人材を活用するのも有効な手段です。特に、システム統合や言語サポートなど、専門性の高い業務を担う人材を確保することで、PMIをよりスムーズに進めることができます。外部人材は、必要な期間だけ契約できるため、柔軟な対応が可能となります。

6. まとめ

PMI人材の確保は、M&A後の統合プロセスを成功させるために不可欠です。M&A市場の活況に伴い、PMI人材の需要は高まり、採用競争は激化しています。自社にとって最適な人材を獲得するには、戦略的な採用活動が求められます。

PMI人材の採用を成功させるためには、求める人物像を明確化し、魅力的な求人情報を作成することが重要です。また、人材紹介会社や転職サイトなどを活用し、適切な採用チャネルを選択する必要があります。

選考プロセスにおいては、PMI経験やスキルを評価できる方法を導入し、迅速な選考と内定出しを心がけましょう。採用後は、PMI研修プログラムやメンター制度などを通じて、早期戦力化を支援することが重要です。

優秀なPMI人材の採用が難しい場合は、PMI支援会社に依頼することも検討しましょう。プロフェッショナルなサポートを受けることで、円滑な統合プロセスを実現できる可能性が高まります。



編集者の紹介

日下部 興靖

株式会社M&A PMI AGENT
代表取締役 日下部 興靖

上場企業のグループ会社の取締役を4社経験。M&A・PMI業務・経営再建業務などを10年経験し、多くの企業の業績改善を行ったPMIのエキスパート。3か月のPMIにて期首予算比で売上1.8倍、利益5倍などの実績を持つ。

メニュー