ホールディングス化する中小企業のメリット・デメリットを徹底解説!
「ホールディングス化って中小企業にどんなメリットがあるの?」
「デメリットも気になるけど、実際どうなの?」
- この記事では、そんな疑問をお持ちの中小企業経営者様や、これから起業を目指す方に向けて、ホールディングス化のメリット・デメリットを事例を交えながら分かりやすく解説します。
ホールディングス化を検討する際のポイントを押さえて、企業成長の最適な戦略を描いていきましょう。
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- 目次
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1. ホールディングス化とは?
1.1 ホールディングスの定義
1.2 ホールディングスの種類
2. なぜ中小企業がホールディングス化するのか?
2.1 事業の承継問題
2.2 事業ポートフォリオの見直し
2.3 企業価値の向上
2.4 経営の効率化
2.5 リスク分散
2.6 M&Aへの対応力強化
2.7 従業員のモチベーション向上
3. ホールディングス化のメリット
3.1 事業の分離・独立による経営の効率化
3.2 リスク分散による企業価値の向上
3.3 事業承継の円滑化
3.4 M&Aへの対応力強化
3.5 グループ全体のブランド価値向上
3.6 税制上の優遇措置
4. ホールディングス化のデメリット
4.1 設立・運営コストの増加
4.2 グループ内での調整コストの発生
4.3 子会社間のシナジー効果が期待できない場合がある
4.4 税制上のデメリット
5. ホールディングス化を検討する際のポイント
5.1 現状分析と目的の明確化
5.2 専門家への相談
5.3 最適なスキームの選択
5.4 グループ全体の合意形成
6. 中小企業のホールディングス化事例
6.1 事例1:株式会社A社(製造業)
6.2 事例2:株式会社B社(飲食業)
6.3 事例3:株式会社C社(IT企業)
7. まとめ
ホールディングスとは、複数の企業の株式を保有することで、それらの企業グループ全体を支配・統括する会社のことです。一般的には「持株会社」とも呼ばれます。
ホールディングス会社自身は、具体的な事業活動はほとんど行わず、傘下の子会社を通じて事業を展開します。
1.2 ホールディングスの種類
ホールディングスには、大きく分けて「純粋持株会社」と「事業持株会社」の2種類があります。
純粋持株会社
純粋持株会社は、子会社の株式の保有と管理のみを行い、自らは事業活動を行わない会社です。グループ全体の経営戦略の立案や、子会社への経営指導・資金調達などが主な業務となります。純粋持株会社は、事業会社を持たないため、スリムな組織で運営できるというメリットがあります。
事業持株会社
事業持株会社は、子会社の株式の保有と管理を行うだけでなく、自らも事業活動を行う会社です。例えば、グループ全体の共通業務を担ったり、特定の事業を子会社と共同で行ったりします。事業持株会社は自社で事業を行うため、純粋持株会社に比べて組織が大きくなる傾向があります。
種類 | 定義 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
純粋持株会社 | 子会社の株式保有と管理のみを行う | スリムな組織で運営できる、グループ経営の効率化 | 事業シナジーが生まれにくい |
事業持株会社 | 子会社の株式保有と管理に加え、自らも事業活動を行う | 事業シナジーを生み出しやすい、グループ全体の競争力強化 | 組織が大きくなりやすい、経営判断が複雑化しやすい |
それぞれのホールディングスの種類には、メリットとデメリットがあります。企業の規模や事業内容・経営戦略などを考慮して、最適な形態を選択することが重要です。
【関連】新しい仲介サービス「Hands on M&A」誕生!業績向上までサポートします。2. なぜ中小企業がホールディングス化するのか?
近年、中小企業の間でもホールディングス化が進んでいます。従来、大企業における事業再編の手法と捉えられがちだったホールディングス化ですが、中小企業がホールディングス化するメリットが広く認知され、経営戦略上の選択肢として一般的になりつつあります。では、なぜ中小企業はホールディングス化するのでしょうか?
中小企業がホールディングス化する理由は、企業の置かれた状況や将来展望によって様々ですが、多くの場合、以下のような目的や課題解決を期待して選択されています。
2.1 事業の承継問題
オーナー経営の中小企業にとって、事業承継は避けて通れない重要な経営課題です。後継者へのスムーズな事業承継を実現するために、ホールディングス化を通じて株式の分散化や承継スキームを構築することで、円滑な事業承継を図ることができます。
2.2 事業ポートフォリオの見直し
長年培ってきた既存事業に加え、新規事業への進出や多角化を検討する中小企業も少なくありません。ホールディングス体制のもと、新規事業を子会社として独立させることでリスクを分散しつつ、新たな収益源の獲得を目指します。
2.3 企業価値の向上
ホールディングス化によってグループ全体の経営効率を高め、企業価値の向上を目指すことができます。市場からの評価を高めることで、資金調達の円滑化やM&Aを有利に進めることも可能となります。
2.4 経営の効率化
グループ全体で経営資源を最適化し、重複する業務を整理することで経営の効率化を図ることができます。例えば、間接部門を集約することでコスト削減や業務効率化を実現できます。
2.5 リスク分散
複数の事業を子会社として独立させることで、事業ごとにリスクを分散することができます。一つの事業で損失が発生した場合でも他の事業への影響を最小限に抑え、企業全体の安定性を確保することができます。
2.6 M&Aへの対応力強化
ホールディングス体制は、M&Aを実施しやすくなるというメリットもあります。買収対象企業の事業内容に応じて適切な子会社に統合することで、スムーズな事業統合を促進することができます。
2.7 従業員のモチベーション向上
子会社化による独立性が高まることで、従業員のモチベーション向上や人材育成を促進できる場合があります。責任と権限を明確化することでより主体的な行動を促し、企業の成長を加速させることができます。
このように、中小企業がホールディングス化する理由は多岐にわたります。重要なのは、自社の経営課題や将来ビジョンを明確にした上で、ホールディングス化が最適な選択肢かどうかを慎重に検討することです。
3. ホールディングス化のメリット
ホールディングス化には、中小企業にとって多くのメリットが存在します。ここでは、主なメリットを6つ詳しく解説していきます。
3.1 事業の分離・独立による経営の効率化
ホールディングス化を行うことで、それぞれの事業に特化した子会社を設立し、独立採算制を導入することができます。これにより、意思決定が迅速化され、市場の変化にも柔軟に対応できるようになります。また、各子会社の業績が明確になることで責任の所在も明確化し、経営の効率化を促進することができます。
例えば これまで複数の事業部で構成されていた企業が、ホールディングス化によって各事業部を子会社化するとします。それぞれの事業に特化した子会社は独自の経営戦略に基づいて事業を展開し、迅速な意思決定が可能になります。また、各子会社の業績は個別に見ることができるため、問題点があれば早期に発見し、改善することができます。3.2 リスク分散による企業価値の向上 複数の事業を傘下に持つホールディングス体制は、一つの事業の業績悪化が、他の事業やグループ全体に与える影響を最小限に抑えることができます。
例えば ある子会社が不況の影響を受けて業績が悪化したとしても、他の好調な子会社の業績によってカバーすることができます。これは、一つの事業に依存する従来の企業形態と比較して、リスク分散効果が期待できることを意味します。
また、リスク分散は金融機関からの信用力向上にもつながり、より有利な条件で資金調達を行える可能性も高まります。これは、企業の成長を促進する上で大きなメリットと言えるでしょう。
3.3 事業承継の円滑化
中小企業の多くは、オーナー経営者によって経営が担われているケースが多く、事業承継は重要な経営課題です。ホールディングス化は、この事業承継問題を解決する有効な手段となります。
後継者は、グループ全体の経営権を継承するホールディングスの株を所有することで、円滑に経営権を移行できます。また、子会社化することで、それぞれの事業を専門性の高い人材に任せることができ、後継者の負担を軽減できるメリットもあります。
3.4 M&Aへの対応力強化
ホールディングス体制は、M&Aを実施する際にも有利に働きます。グループ全体の経営戦略に基づいて、事業ポートフォリオを柔軟に組み替えることができるからです。
例えば 成長が見込める新たな事業分野に進出するために、その分野に強みを持つ企業を買収するケースなどが考えられます。また、子会社をM&Aの対象とすることで、グループ全体の財務リスクを抑えながら、迅速な事業拡大を図ることも可能です。3.5 グループ全体のブランド価値向上
ホールディングス化によって、グループ全体の経営戦略やブランド戦略を統一することで、グループ全体のブランド価値を高めることができます。
例えば グループ企業が共通のブランドロゴを使用したり、統一された企業理念を掲げたりすることで、顧客に対して一体感のある企業イメージを訴求することができます。これは、顧客からの信頼感やブランドロイヤリティの向上につながり、企業の成長を促進する要因となります。3.6 税制上の優遇措置
ホールディングス化は一定の要件を満たすことで、税制上の優遇措置を受けることができます。具体的には、以下のようなものがあります。
優遇措置 | 内容 |
---|---|
連結納税制度 | グループ全体の税負担を軽減できる制度 |
株式移転完全免税制度 | ホールディングス会社設立時の税負担を軽減できる制度 |
これらの優遇措置を活用することで、節税効果が期待できます。ただし、適用要件などが複雑な場合もあるため、事前に専門家へ相談するなど慎重に進める必要があります。
4. ホールディングス化のデメリット
ホールディングス化は、中小企業にとって多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。ホールディングス化を検討する際には、これらのデメリットも十分に理解した上で、慎重に判断する必要があります。
4.1 設立・運営コストの増加
ホールディングス化を行う際には、持株会社設立に伴う費用やグループ会社間の取引に伴う税務・会計処理などの費用が発生します。具体的には、次のような費用が発生する可能性があります。
持株会社設立登記費用 | |
顧問税理士・弁護士への報酬 | |
株式移転に伴う登録免許税 | |
グループ会社間取引に関する税務申告費用 | |
システム改修費用 |
これらの費用は、企業規模やスキームによって異なりますが、事前にしっかりと見積もり・資金計画を立てておくことが重要です。
また、ホールディングス化後は、グループ会社全体の経営管理や子会社間の調整業務などが増加するため、人件費などの運営コストも増加する傾向にあります。そのため、ホールディングス化によるメリットが、これらのコスト増加を上回るかどうかを慎重に検討する必要があります。
4.2 グループ内での調整コストの発生
ホールディングス化により、複数の企業がグループとして一体となって経営を行うことになるため、グループ会社間での連携や調整が重要となります。しかし、グループ会社間で利害が対立したり、経営方針が異なったりする場合には、調整に時間や労力がかかる可能性があります。
例えば 新規事業の展開や設備投資などの意思決定を行う際に、グループ全体にとって最適な判断を下すためには、各子会社の意見調整が必要となります。また、グループ全体で統一した人事制度や評価制度を導入する場合にも、各子会社の状況に合わせて調整する必要があり、スムーズな導入には綿密なコミュニケーションと調整が不可欠となります。4.3 子会社間のシナジー効果が期待できない場合がある
ホールディングス化のメリットの一つに、グループ会社間でのシナジー効果による収益向上などが挙げられます。しかし、シナジー効果は、グループ会社間の事業内容や連携の度合いによって異なり、期待したほどの効果が得られない場合もあります。
例えば 事業内容が全く異なる企業同士がグループ化した場合、シナジー効果を生み出すことが難しく、逆にグループ会社間の競争が激化し、全体としての収益が低下する可能性もあります。ホールディングス化を成功させるためには、グループ会社間でどのようなシナジー効果を生み出すことができるのかを事前にしっかりと分析し、具体的な計画を策定しておくことが重要です。4.4 税制上のデメリット
ホールディングス化は、税制上の優遇措置が受けられる一方で、デメリットも存在します。主な税制上のデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
項目 | 内容 |
---|---|
連結納税制度の適用要件 | 連結納税制度を適用するには、一定の要件を満たす必要があります。要件を満たさない場合は適用が受けられず、税負担が増加する可能性があります。 |
グループ通算制度の制限 | ホールディングス化により、グループ会社間の損益通算が制限される場合があります。 |
組織再編税制の適用要件 | ホールディングス化に伴う組織再編を行う場合、組織再編税制の適用を受けるためには、一定の要件を満たす必要があります。要件を満たさない場合は、税負担が増加する可能性があります。 |
これらの税制上のデメリットを踏まえ、事前に税理士などの専門家に相談し、最適なスキームを検討することが重要です。
5. ホールディングス化を検討する際のポイント
ホールディングス化は企業の成長戦略として有効な手段となりえますが、すべての企業にとって最適解ではありません。成功するためには、以下のポイントを踏まえて慎重に進める必要があります。
5.1 現状分析と目的の明確化
ホールディングス化を検討する前に、まずは現状を分析し、以下の点を明確化しましょう。
自社の強み・弱みは何か | |
市場環境や競合との関係性はどうか | |
ホールディングス化によってどのような課題を解決したいのか | |
どのような企業グループを目指していくのか |
目的が曖昧なままホールディングス化を進めてしまうと、期待した効果を得られない可能性があります。現状分析と目的の明確化は、その後のプロセスを成功に導くための重要な基盤となります。
5.2 専門家への相談
ホールディングス化は、法務・税務・財務・組織再編など、多岐にわたる専門知識が必要となる複雑なプロセスです。そのため、弁護士・税理士・公認会計士などの専門家に相談し、アドバイスを受けることが重要です。
専門家は、以下の点についてサポートを提供してくれます。
最適なスキームの検討 | |
法的リスクの洗い出しと対策 | |
税務上の影響のシミュレーション | |
関係当局への手続き |
専門家のサポートを受けることでリスクを最小限に抑え、スムーズかつ効率的にホールディングス化を進めることができます。
5.3 最適なスキームの選択
ホールディングス化には、純粋持株会社方式と事業持株会社方式など、いくつかのスキームがあります。それぞれのスキームにはメリット・デメリットがあり、企業の状況や目的に最適なスキームを選択する必要があります。
例えば 事業承継を目的とする場合は、事業承継税制の優遇を受けられる純粋持株会社方式が適しているケースが多いです。一方、グループ全体の事業シナジーを追求する場合は、事業持株会社方式が有効です。スキーム | メリット | デメリット |
---|---|---|
純粋持株会社方式 |
|
|
事業持株会社方式 |
|
|
専門家の意見も踏まえ、自社の状況に最適なスキームを選択することが重要です。
5.4 グループ全体の合意形成
ホールディングス化は、企業グループ全体にとって大きな変革となるため、経営層だけでなく従業員も含めたグループ全体の合意形成が不可欠です。十分な説明やコミュニケーションを行わずにホールディングス化を進めてしまうと、従業員の不安や反発を招き円滑な移行が難しくなる可能性があります。
具体的には、以下の取り組みが重要です。
ホールディングス化の目的やメリットをわかりやすく説明する | |
従業員が抱える不安や疑問に丁寧に答える機会を設ける | |
従業員の声を吸い上げ、積極的に経営に反映する姿勢を示す |
従業員の理解と協力を得ることで、ホールディングス化を成功に導くことができます。
6. 中小企業のホールディングス化事例
ホールディングス化の成功事例として、下記の3つのケースを紹介します。
6.1 事例1:株式会社A社(製造業)
課題
長年培ってきた技術力を活かした新規事業展開を模索していた。 | |
既存事業とのシナジーが見込める分野への進出を検討していた。 | |
事業承継が課題となっており、経営の若返りを図りたいと考えていた。 |
ホールディングス化の目的
新規事業を子会社化することで意思決定を迅速化し、市場の変化に対応しやすい体制を構築する。 | |
グループ経営を推進することで経営資源の最適化を図り、グループ全体の企業価値向上を目指す。 | |
持株会社を設立し、事業承継を円滑に進める。 |
ホールディングス化後の成果
新規事業を子会社化し独立採算制を導入したことで、意思決定のスピードが向上し、新たな顧客を獲得することに成功した。 | |
グループ全体の経営戦略を策定し資源配分を最適化した結果、グループ全体の収益性が向上した。 | |
持株会社を設立し株式を移管することで、円滑な事業承継を実現した。 |
6.2 事例2:株式会社B社(飲食業)
課題
複数の飲食ブランドを展開していたがブランドごとに経営状況が異なり、全体最適な経営ができていなかった。 | |
ブランドイメージの統一を図り、グループ全体のブランド価値向上を目指したいと考えていた。 | |
事業リスク分散のため、新規事業への進出を検討していた。 |
ホールディングス化の目的
ブランドごとに子会社を設立し、それぞれが独立した経営を行うことで責任と権限を明確化し、経営の効率化を図る。 | |
グループ全体のブランド戦略を策定し、ブランドイメージの統一を図ることでグループ全体のブランド価値向上を目指す。 | |
新規事業を子会社化することでリスクを分散しながら、新たな収益源を確保する。 |
ホールディングス化後の成果
各ブランドを子会社化したことで、それぞれのブランドに最適な経営戦略を展開できるようになり収益性が向上した。 | |
グループ全体のブランド戦略を策定し、統一的なブランドイメージを構築した結果、顧客満足度が向上し新規顧客獲得にも繋がった。 | |
新規事業を子会社化することで、リスクを抑えながら新たな市場に進出することができた。 |
6.3 事例3:株式会社C社(IT企業)
課題
急成長に伴い組織が複雑化し、意思決定のスピードが低下していた。 | |
専門性の高い人材の採用が難航しており、人材育成が課題となっていた。 | |
海外展開を視野に入れており、海外企業とのM&Aも検討していた。 |
ホールディングス化の目的
事業部門ごとに子会社を設立しそれぞれが独立した経営を行うことで、意思決定を迅速化し市場の変化に柔軟に対応できる体制を構築する。 | |
グループ全体の人事戦略を策定し人材育成プログラムを導入することで、人材の専門性を高め競争力を強化する。 | |
持株会社体制を構築することで、M&Aを円滑に進め海外展開を加速させる。 |
ホールディングス化後の成果
事業部門ごとに子会社化したことで意思決定が迅速化し、開発スピードが向上した結果、競争が激しいIT業界においても優位性を保つことができた。 | |
グループ全体で人材育成に取り組んだことで、従業員のスキルが向上し、より質の高いサービスを提供できるようになった。 | |
持株会社体制を構築したことで海外企業とのM&Aを成功させ、海外市場への進出を果たした。 |
7. まとめ
この記事では、中小企業がホールディングス化するメリット・デメリット、そして検討する際のポイントについて解説しました。ホールディングス化は、事業の効率化やリスク分散、事業承継の円滑化など、多くのメリットをもたらします。一方で、設立・運営コストの増加やグループ内調整の必要性など、デメリットも存在します。
重要なのは、ホールディングス化が目的ではなく、あくまで企業成長のための手段であるということです。自社の課題や将来ビジョンを明確にした上で、ホールディングス化が本当に最適な選択肢なのか、慎重に検討する必要があります。専門家の意見も参考にしながら、グループ全体で合意形成を進めることが重要です。
編集者の紹介
株式会社M&A PMI AGENT
代表取締役 日下部 興靖
上場企業のグループ会社の取締役を4社経験。M&A・PMI業務・経営再建業務などを10年経験し、多くの企業の業績改善を行ったPMIのエキスパート。3か月のPMIにて期首予算比で売上1.8倍、利益5倍などの実績を持つ。